□月 ●日  No719

今日は趣向を変えて、皆に自分の生き様を紹介してもらうことにした。
たまにはこんな寄せ集めのような話も悪くない。


浅間伊佐美の場合
 お酒は呑むものです。決して呑まれるものではありません。
 呑むときはお酒以上に大らかな気持ちで呑むのです。
 お酒は妖怪たちにも通じる生きとし生けるものの共通言語だと信じています。
 お酒を呑めば怖い魑魅魍魎も皆仲良しになれます。
 だからみんなで酒を呑みましょう。 できれば割り勘で。


魂魄妖忌の場合
 幻想郷という世界が今日まで維持できている最大の理由は
 変化に対応できる遊びがあるからと考えている。
 人間も妖怪も変化することで、環境の変動に耐えることが出来る。
 たとえ今日一日の変化が微々たるものであっても
 それが一週間 一月 一年 と経てば
 大きな変化のうねりとなろう。
 物事は全て変化するものであり、それを明らむることが
 常日頃からの課題となるであろう。


北白河ちゆりの場合
 私は退屈が嫌い。
 毎日同じような生活が嫌い。
 退屈な男も嫌い。
 危険なことは好き。
 でも自分に危害が及ぶのは嫌い。
 だから私はいつもこうしている
 先手必勝 怪我一生ってね。


冴月麟の場合
 人間と妖怪の身体的差はあまりない。 それが私が得た結論である。
 妖怪たちは得てして自分たちが他の生命体より優れていると
 考えているようだがそれは断じて違うと言いたい。
 人間が妖怪のことを理解するのと同様に妖怪たちも人間を理解する努力を
 怠ってはいけないだろう。
 本質的には全て同じと達観したくなるだろうが、人間の寿命は
 短いのだから記憶がリセットされることを考慮に入れないといけないと思う。


玄爺の場合
 霊夢の成長を観察しているととてもうれしい反面
 今までにない変化に戸惑うことしきりだ。
 まず妖怪が増えた。しかもそれら妖怪は今までにないような危険極まりない者ばかりだ。
 まるで妖怪の見本市と言えよう。
 それだけ霊夢は皆から慕われ人気者になったと言えようか。
 嬉しい半分、神社としての機能が失われつつあることに心配するのが半分だろう。


岡崎夢美の場合
 真実を探求することは痛みを伴うものだ。
 探求することで様々なモノを失うことだってある。
 だけど科学者たるもの、真実を探求するための歩みは止めてはいけないと思う。
 なぜなら私は幻想の世界を研究する科学者だからだ。


朝倉理香子の場合
 幻想の世界を抜け出して顕界と言われる世界に足を踏み入れた私は
 色々な試練を受けることになった。
 まず驚いたのは火をおこす必要がないこと。 スイッチ一つで料理をつくるための
 炎があっという間に出てくるのだから恐ろしい。
 顕界の人間はこんなに便利になってもなお足りないというのだろうか。


ボスの場合
 皆が平和で平穏無事でいてさえすればそれでいい。
 と思っていたけど、霊夢が大暴れしているのを見るとなんとなく血が騒ぐのは
 気のせいかしら。 私も久しぶりに異変解決したい。



幻想の世界と現実を結ぶ列車は今日も物資を運び続ける。l
淡々とした業務に見えるかも知れないが
今日もどこかで事件は起こっている。


大 迷 惑 だ




No719 寄せ集めブルース