■月 ■日 No 130 友人として忠告したが


私は友人として香霖に警告しないといけない。 「ザナドゥ」とは「幻想郷」という意味で人の名前ではないことを。
ヤマザナドゥなら、幻想郷管轄のヤマ(閻魔)である。 彼女には確か映姫という名前があった筈だ。
ボスが姫ちゃん姫ちゃんと言うから社内では姫ちゃんとか姫様で通っている。
香霖はサッカーの試合のとき、彼女のことをザナドゥくんと言っていた。 この件で閻魔様はえらくご立腹である。
彼とはしばしのお別れだ。 恐らく次に会うときは八意病院であろう。 
閻魔様の試験の中に体力測定がある。あの閻魔様は中でも武闘派としてかなり有名らしい。 
似たような能力を持つ美鈴氏と比較してもはるかに格上である。
香霖を助命するために私とボスは色々と手を尽くした。 
とりあえず外の世界のショッピング(死神付)とクレープで手を打ってもらった。
死刑にはしないが、半殺しは覚悟したほうがいい。 私は香霖にそう警告した。 
彼の顔が蒼白になっていくのが手を取るようにわかった。


彼女が出現したのはそれからすぐだった。 完全に逃げ遅れた。
すっかり忘れていた。 彼女が恐れられている理由。 それは延々続くマシンガントークである。
かくして丸半日、正座の状態で彼女の説教を聞き続けることになった。 
もしかしてエコノミークラス症候群で死んでしまうかも。 なんとなくそんなことを考えた。


教訓 警告はすばやく行いましょう。