○月 ▽日 No 120 冴月の帰還


紅魔館で普段では有り得ないような歓迎を受ける。 驚くべきことに晩餐会なるものに招かれた。
すると、館の主であるヴァンパイアが冴月のことについて執拗に聞いてきた。
実際、冴月のことはよくわかっていないのでその通り話したら開放してもらえた。


帰社後そのことを冴月に話すと今度は自分も紅魔館に行くというのでとんぼ返りする羽目になった。
久々に武装解除した冴月を見たがヴァンパイアといい傍から見たら華奢すぎる体格である。
列車から降りると、信じられないような重火器の類が貨物室丸ごとに積み込まれていた。
もしかして「殴りこみ」ですか?
紅魔館に到着すると、ボスのとき以上に恐ろしく恭しい対応がやってきた。
それだけでも驚きだが、なんと普段は姿を見せないデスマシン妹君までいるではないか。
人生終了の予感を感じざるを得ない。 前書いた遺書はまだ有効か?


心の中で走馬灯が走る中、ヴァンパイアの主人は「ありがとう」と言って冴月に深々とお辞儀をした。


はるか昔のことである。この館が幻想郷へたどり着いたとき。二人のヴァンパイアは暴虐の
限りをつくしたという。 そのとき立ちふさがったのが冴月だったらしい。
圧倒的火力で押してくる弾はことごとく彼女に当たらなかった。 焦るヴァンパイアを尻目に
冴月はヴァンパイアを強く抱きしめたという。
どこまで本当かは分らないが、冴月は自分の導く程度の力でヴァンパイアの姉妹を幻想郷で
生活できるように導いたのである。
ボスが私の出入禁止解除に動いたとき、冴月が自分の会社に在籍していることを教えていたことを
後になって知った。