☆月 ◇日  No 142 精神の死から身を守るための回答例


長命問題はなにも妖怪だけのものではない。
もっと厄介なのは魔法使いが長命により思考の行き詰まりが起こって人格が破綻するケースである。
何しろ元が人間であるので、こうなった場合は妖怪よりも性質の悪い存在となりえる。
ノーレッジ氏は日ごろから変化のある紅魔館への居候で問題を解決するし、アリスの場合は
割と人里に降りてきて人格破綻を防いでいるが、丑三つ時の奇行の話も聞いており要注意に格上げするか
検討中となっている。 人格維持のキーワードは黒い魔法使いだろう。
阿礼乙女は短命+劣化によって人格維持を可能としている。 もし彼女が長命になったら
まず真っ先に人格が壊れるだろう。 私に言わせれば30歳くらいまで生きることすらリスクが大きい。
また彼女に関しては延命治療も禁止されている。 精神の死はシステムの崩壊を招くからだ。


その阿礼乙女のレポートにないいくつかの魔法使いのうち、スマートな解決方法を図ったのは
エレンと呼ばれる魔法使いである。 脳の海馬に対して機能不全を起こすやり方で知識がこれ以上入り込まない
ようにするという荒業を行い、人格が完全破綻する前に脳神経を復帰するという方法である。
この方法は非常にリスクを伴うやりかたであるため、現在では魔法使いにも決闘を奨励して
人格崩壊を防ぐ手立てに切り替えている。 エレンはその中で過渡期の存在であるといえよう。