□月 ●日  No1430 現実逃避ちゃうわ


隙間妖怪と大師様が談笑しているという珍しい場面を目撃。
そんなふたりにいきなり二人に呼ばれて嫌な予感が頭をよぎる。
二人が要求したのは化粧道具のカタログ。 隙間妖怪の化粧知識では絶対いろいろ歪んでいると思うのは
私だけだろうか。 化粧ならまだ洩矢軍団に聞いた方が良いとも思える。


幾ら若さを保っていられると言っても化粧っ気や外見を気にする思考がなければ、若さのメリットも
享受しづらくなる。 今では若くてもまるで老人のような身体をしている人がごまんといる。
一方で年齢を重ねても、色々な部分で若い人もまた存在している。


最近気づいたが、朝倉が妙に男にがっついているように見えるのも結局は精神的若さを保つための手段だと言うことだ。
一定の寿命を得た者は自壊を防ぐために色々な手段を講じている。
思索に耽すぎれば思考は堂々巡りを繰り返し破綻する。 何処かのタイミングで思考に風を送らないと駄目だ。


肉体的死を繰り返すことでマイルストンとしているのは阿礼乙女である。
自分のアイデンティティを確保すべく自分のことを思い出すことはとても重要だ。
そこで阿礼乙女は自分の仕事をふたつローテーションすることで問題を解決している。
毎回マイルストンごとに自分の使命を思い出すのだ。 
あの方法はもっとも有効な精神の自壊を防ぐ手立ての一つだと思う。
それが出来ない場合、仙人のように自分のことをわざわざ思い出す修行をしないとならない。


多忙な公務に身を置いてワーカホリック状態にしているのは閻魔様や、ヴァンパイアの主人である。
後者は意外に思われるかも知れないが、あの屋敷を維持するための公務の量は半端ではない。
それができないとどんな建物も朽ちるに任せるしかない。
彼女にとって弾幕ごっこは休暇の一幕に過ぎない。 


化粧もまた、若さを保つため必要なガジェットである。
ここまで思索を巡らせる羽目になったのも。


そこの二人、いい加減厚塗りはやめてくれ。 塗装じゃないんだ。
野外でも落ちにくくなったと言ってるが、そういう問題じゃない。
後ろで寅さんが腰を抜かしてぶるぶる震えているじゃないか。
おい、橙なんであんたはこの状況をみて平然としていられるんだ。


こっちは化粧品が売れれば良いと思ってるのだろうが
夢に出るんだ。二人とも。