◇月 ●日  No146 ×ファイル


月の民というのはプライドばかり高いようだ。
そのせいで永遠亭の連中は酷い目にあったわけだ。
実は地上と月が本格的に交戦したことは一度もない。 もし交戦していたらどちらも無事ではすまないだろう。
都市は荒廃するし、幻想郷も多大な影響を受けるはずだ。
アホな米帝が月に旗を立てたそうだが、これはあくまで登頂成功時のモニュメントである。
戦争とはちょっと違う。


実は人間が月に着陸しただけで喧嘩を売られたと思い込んだ月側は示威行動にはでていた。
だが肝心の示威行動が理解されずに地上では半ば笑いのネタにしかなっていない。
地上人を驚かせる目的で送り込んだ擬似宇宙人は速攻捕らわれた挙句解剖され、ついには
それをネタにしたドラマやゲームまで現れる始末である。 
地上にとっては月は観光用途にしか利用価値はないし、鉱物資源を運ぶにはコストがかかりすぎる。 
地上人が月を攻める理由はほとんどない。勝手に騒いでいるのは月の側なのだ。
わが社はその辺の事情を理解しているので当面は月関連への投資はしない方針である。


不思議なのは薬屋が外の世界から来ていることを薄々ながら分かっているのに外部の情勢を聞こうと
しないことだ。 もっともバレンタインのときお菓子に自白剤を入れてきているので
興味はあるのだろう。 本人が直接聞くまで我々は黙っているつもりである。