□月 □日  No625 鬼の居ぬ間に


会社と連絡。小兎姫が助け船を出してヴィヴィットの開発者を無事保護したらしい。
聞いたらヴィヴィットを勝手に量産したことに腹を立てて亡命してきたらしい。
戦闘用と言うよりメイドロボを指向したルーコトと違いヴィヴィットは純粋に戦闘用だったから
この博士の言いたいことも何となく理解できる気がする。


ヴィヴィットの姿のまま解呪のためにエレンのマジックショップに急行
元の姿に戻ることができたが幸い何も訊かれずに済んだ。
なんとなくドスのきいた声で「トイレには行ったのか?」と聞かれたような気がしたが。
ノーコメント。


赤と白の破壊魔がいなくなった香霖堂を訪れる。普段は怠惰に過ごしている香霖がなぜかせっせと働いていた。
雨でも降るのかそれとも何か起こるのかと尋ねたら、博麗の巫女が帰ってきたらもっと手に負えなくなるから
その前に商品整理や棚卸しを済ませておくそうだ。
商品に原票を糊で貼り付けながら商品を数える。 エレン嬢のアドバイスでやり始めたらしい。
確かに在庫が完全に把握できる。


香霖に霧雨のご息女の家を整理するように頼まれたので、人形遣いのアリスに強力を要請したら
是非やらせてくださいと快諾された。 妖怪や魔女は基本的に人助けとかはしないと思うのだが
私に女の子の部屋をいじるのは良くないから手を出すなとか、中は見るなとかあれこれ注文をつけてきた。
まじめな彼女なので盗みとかはしないことは解っているつもりだが
ここまで言い切られるとちょっと怪しい。


博麗神社の清掃は自称現人神に依頼している。
様子を見に行ったら彼女の姿がない。 サボっているのかとも思ったが、きちんと境内は清掃されていた。
それもそのはず、博麗神社近辺に住んでいる妖怪たちが清掃していたのである。
当の自称現人神は神社でお茶をすすりながらまどろんでいた。
「人にきちんと指示を出せば問題はない」と微笑みながら話していたが、サボっている妖怪たちを
にらみつけると、妖怪の背筋がびくんと動いていることから、どうやって説得したのか大いに見当がつくというものだ。
博麗神社に真新しい小さな分社が建てられていたが、ゴミ一つ無いきれいさにコメントをしたくなくなった。


博麗の巫女がいなくなって妖怪たちが暴れるかと思いきや、どうせ無事に戻ってくるし異変が起こっていたら
後で酷い目に遭うと思っているらしく特に混乱も起こっていないのが印象的であった。
だからこそ幻想郷は平和なのだろう。