□月 □日  No627 天気が変わりやすい季節です


強風が続く一日。 バイク通勤の岡崎が風に煽られながら大騒ぎする日でもある。
幻想郷でも大気の状態が不安定なことは変わりなく、強風や俄雨で忙しい天気が続いている。
この時期吹き飛ばされる妖怪たちが多数現れる。


台風など明らかな強風なら妖怪たちも外に出ることがないのだが
天気が安定しないこの時期では不意の突風に煽られて墜落したり、他の妖怪と衝突事故をおこしたり
結構面倒なことが起こる。
妖怪同士で衝突事故が起こるとどうなるかというと、責任の所在は弾幕ごっこで決められる。
ただし一般人相手にの衝突事故では無条件で妖怪が悪くなるようだ。


この時期妖怪にとってもっとも警戒しないといけないのは雹だろう。
大規模な雹では車のボンネットがへこんだりカーポートの屋根が割れてしまったりと
結構な被害が起こる雹だが、妖怪たちにとっても大迷惑であるらしい。
満足に空も飛べないし、第一飛んでいたら痛くてかなわない。


強風でも安定して飛行できる鴉天狗でも雹には弱い。
なまじ早く飛べるために顔に当たって痛いほか
カメラのレンズが割れるのが嫌らしい。


雹に対抗するスペルカードも存在する。考え方はとてもシンプルで低い威力の
弾幕を細かく張って雹を撃ち落とそうとするのである。
人間や妖怪に当たってもちょっと痛いだけだし、大きな雹には効果が薄いのだが
それでもあるだけでかなり被害を減らせるらしい。
特に養蚕工業では、蚕の餌になる桑の木がやられてしまうとあって
かなり神経質になっているようだ。


山間部に位置する幻想郷では割と雹害が多いので、雹と正しく付き合う心がまえがいる。
一方で、雹をバスケットに集めて砂糖をまぶして食べる者もいる。
氷妖精と三馬鹿たちだ。 彼女たちにとって雹は氷菓の一種らしい。
シロップをかけた雹は食べるととても美味しいらしい。
ちょうどかき氷の一種と思えばよいかも知れない。
イチゴのシロップをかければ確かに美味いかも知れない。


不思議なことに雹害に対して妖精たちにはおとがめは殆ど無い。
幸せそうに氷菓子を食べている彼女たちを見れば起こる気が失せるってところかもしれない。