□月 □日  No616 新入社員歓迎会という名の毒女独演会


新入社員の歓迎会。朝倉と浅間のせいでとうとう大半の酒屋が出入り禁止になったため
寒空の下、ビアガーデンを借りて行うことに。
あの呑兵衛どもを収監するはずの黄昏酒場群の半分くらいがうちの会社を名乗った瞬間
シャッターを閉めてきた。 くそったれ。
ようやく対応してもらった店でバツイチ女将さんである有江さんから通達を見せてもらって絶句した。
しっかりと浅間に危険人物の烙印が押されていた。


仕事を手早く済ませて皆で酒場に合流。
ミールでは玄爺がメイドロボに囲まれていい思いをしているらしい。
この日も空間軌道が無事構築されたと言っていたがどういう意味かはわからない。


皆が寒さのためにコートを羽織っているのに、あの二人は普段と同じハイテンションだ。
新入社員の一人、浅間のことを気に入っているのは結構だが、彼女を酔わせてホテルに連れ込みたいと
いうのは物理的に不可能だと言っておいた。
朝倉、「結婚はしなくていいから、子供だけがほしい」と言い出した。
確かに彼女の収入があれば子供の一人や二人は容易に養えそうな気がする。
しかし表面上の話題しかしていないのは明らかなので、心の中でガードを固めていることはまず間違いない。
彼女はああ見えていざつきあい出すと奥手になるらしい。


北白河。お酒をちびちび飲みながら適当に話題を合わせている。
「うんうん」と相づちを打っているが、絶対人の話を聞いていない。
岡崎教授 うっかりお酒をこぼして「まいったなー」と言っている。
彼女は一見隙だらけに見えて、結構な策略家である。
案の定男性社員が彼女の周りを一生懸命拭いていた。


冴月、話題から孤立して我が道を走る。
近寄りがたい雰囲気。しかし話題を振ると意外と反応する。


私はと言うとマスターと適当に談笑。
魂魄が浅間に絡まれて酒を飲まされているのを横目で見ながら
うちの会社の昔話を聞かせてもらった。
彼もまた、私に近い立場の人間であったことや、
朝倉がつい最近まで幻想郷にいた事実を聞かせてもらった。


一応、飲み会は無事終了したものの
会費がやたら高くなって泣けてきた。ボスが半分出してくれなかったら
確実に死んでいたと思う。