基本的にうちの会社は幻想郷に物資を供給する会社であるのだが、逆に幻想郷から買い入れているものもある。
この日は紅魔館より工業用ダイヤモンドを購入、その代金を支払った。
幻想郷の加工技術を支えるのが工業用ダイヤモンドである。
魔法によって高温高圧を低コストで作ることができるため、様々な場面で利用されている。
紅魔館から買い入れているものの一つに肥料がある。
幻想郷は基本的に土地がやせており、これまでは幻想郷の外から肥料を運び入れないといけなかった。
しかしノーレッジ女史の錬金術により、アンモニアや窒素化合物を幻想郷でも安く投入できるようになった。
紅魔館に触媒を送っておけば、大量の肥料となって帰ってくる仕組みだ。
元は紅魔館の周辺を花で満たすために編み出されたものらしい。
ここから得られる収益が紅魔館の財政を潤し、ロケットを制作するための費用に充てられたというわけだ。
当初紅魔館は幻想郷でも忌み嫌われていたが、彼女たちがつくる副産物のおかげで
紅魔館への理解は一気に高まった。 肥料の提供で紅魔館の周辺の土地は肥沃になって余剰生産物を
紅魔館に納める者も現れている。 当社と直接取引できるようになったのもそのためだという。
金のとりっぱぐれがないからとも言う。
風見女史のところに紅魔館からの肥料を届ける。
肥料と引き替えに花の種を受け取るためだ。 種ができたときに受け取ればいいと考える者もいるが
風見女史に言わせれば、花もきちんと休ませてあげないといけないらしい。
きちんとした休みをとってこそ、花はきれいに咲き誇るのだという。
お彼岸が終わったので風見女史のところはおおむね暇となっている。
風見女史は丸一日寝ていたらしく、寝間着姿の対応になった。 アットホームすぎる。
普段着にしないのかと聞いたら、博麗の巫女でも同じ姿で対応したから別に問題はないそうだ。
このように当社は結構妖怪からも物を買い入れている。
なんでも無償提供しているとは限らないのだと例の神社のおねえさんに指摘したら
「私の体が目当てなのね」と言われて正直引いた。
そんなに私の視線は胸に釘付けだったと思われたことに泣けてきた。