風見女史といったら幻想郷随一の危険人物である。
昔は彼女の行動次第でこの星が酷いことになっていたそうだから当然だろう。
そんな彼女が住んでいる夢幻館は紅魔館より遙かに進んだ設備が採用されている。
その金がどこから来ているのか疑問だった。
その疑問に答える事件が今日起こった。
それは風見女史からの書面だった。 なぜか宛先は顕界となっている。
里香女史に問題ないのかと尋ねると問題ないという。
なんでもこれは、化石燃料の埋蔵場所を示しているのだそうだ。
風見女史は植物妖怪である。
花の謂われがついて更に手に負えなくなったが、その前からも結構ブイブイ言わせていた。
そんな彼女がばらまいた遺産が化石燃料なのだという。
考えてみれば石油も石炭も元は風見女史を構成していた組織なのだ。
里香女史に言わせると鉄鉱石もまた風見女史が深く関わっているのだという。
鉱物資源と風見女史はあまり関係ないように見えるが、実は
はるかこの星の黎明期、シアノバクテリアだった彼女がばらまいた酸素が
海中の鉄を酸化させて沈澱させたことが知られているのである。
その気になれば彼女は鉱物王になれるとも言えるのだ。
そうしたらそもそも幻想郷にいなくても経済で人間を支配できるのではないか
とも思えるのだが、どうやらそれほど甘くないらしい。
里香女史に言わせると、鉱物資源として発掘できるようになるにはもう一つの条件をクリアーしないと
いけないという。
それは風見女史ではどうすることも出来ないことだそうだ。
それはなんと隕石なのだという。
風見女史が残した鉄鉱脈に隕石が落ちて変成したり、果てはダイヤモンドなど貴金属まで
発掘できるようになるのだとか。
そして最近は妖怪たちが隕石を確実を的にして弾幕ご もとい 破壊してくれるのだそうで
問題にならないのだという。
色々ややこしいことのようだ。
とはいえ、風見女史が生み出す利益は年間で小国の国家予算と言われているらしい。
どうやら風見女史と接するときはセレブを扱うのと同じにしないといけないと理解した。
いざとなったらジュラルミンのシールドを風見女史に強請れれるのではと密かに思っている。