紅魔館へカーテンを納めるために採寸作業に立ち会う。
紅魔館のカーテンは季節の変わり目に切り替えるのだが、中で発生する様々な
事件または破壊活動により、サッシ廻りの寸法がしばしば変動してしまう。
そこでオーダーカーテンをつくるために採寸作業を行うのだが
これがまた大変な作業となる。 窓の数量もさることながら
カーテンを作るに当たって窓のサイズさえ測ればいいとは限らない。
カーテンがどのような形で窓にくっつくのか、 枠の中に内付けとなるのか
レールを設けてつり下げるのかによっても寸法はだいぶ違ってくる。
既存のカーテン寸法の採寸とメイド長との打ち合わせを重ね、
新しい柄と、取り付け方を一個一個決めていくのだ。
ヴァンパイアの主人はカタログを見て色々思案している。
一方でデスマシン妹君はまるで絵本を読むように、適当にカタログをぱらぱら
捲って 殆どフィーリングだけで決めている。
ノーレッジ女史は時間の無駄とばかりに遮光カーテンなら何でもいいと言う。
仕方がないのでデーモンの司書に頼んでカーテンを選んでもらう。
始末が悪いのはメイド長で、決断力が思いのほかないから困る。
さらに急に憔悴しきった顔になったので何故かと聞いたら、時間を止めながら
考えていたらしい。 個人的にはどちらもセンスがいい色彩だと思うのだが
彼女はあくまで完璧を求めたいのだろう。
色彩工学の基礎に関する本を与えたら 数日もしないうちに丸暗記して
ノーレッジ女史と一緒に唖然としたこともあったくらいだ。
全員分のカーテンが決まったら目に隈ができる。
しかしこれからが大変だ。 寸法を間違えないように事細かに発注するのである。
そして注文の品が来たら一度開封して寸法をチェックする。
カーテン一つとっても紅魔館の連中は面倒である。