■月 ○日  No416 紅魔館のオーダーカーテン


紅魔館へカーテンを納めるために採寸作業に立ち会う。
紅魔館のカーテンは季節の変わり目に切り替えるのだが、中で発生する様々な
事件または破壊活動により、サッシ廻りの寸法がしばしば変動してしまう。


そこでオーダーカーテンをつくるために採寸作業を行うのだが
これがまた大変な作業となる。 窓の数量もさることながら
カーテンを作るに当たって窓のサイズさえ測ればいいとは限らない。
カーテンがどのような形で窓にくっつくのか、 枠の中に内付けとなるのか
レールを設けてつり下げるのかによっても寸法はだいぶ違ってくる。


既存のカーテン寸法の採寸とメイド長との打ち合わせを重ね、
新しい柄と、取り付け方を一個一個決めていくのだ。
ヴァンパイアの主人はカタログを見て色々思案している。
一方でデスマシン妹君はまるで絵本を読むように、適当にカタログをぱらぱら
捲って 殆どフィーリングだけで決めている。
ノーレッジ女史は時間の無駄とばかりに遮光カーテンなら何でもいいと言う。
仕方がないのでデーモンの司書に頼んでカーテンを選んでもらう。


始末が悪いのはメイド長で、決断力が思いのほかないから困る。
さらに急に憔悴しきった顔になったので何故かと聞いたら、時間を止めながら
考えていたらしい。 個人的にはどちらもセンスがいい色彩だと思うのだが
彼女はあくまで完璧を求めたいのだろう。
色彩工学の基礎に関する本を与えたら 数日もしないうちに丸暗記して
ノーレッジ女史と一緒に唖然としたこともあったくらいだ。


全員分のカーテンが決まったら目に隈ができる。
しかしこれからが大変だ。 寸法を間違えないように事細かに発注するのである。
そして注文の品が来たら一度開封して寸法をチェックする。
カーテン一つとっても紅魔館の連中は面倒である。