怪我した冴月を回収しに行く。
どうやら色々ややこしい事態になっているようだ。
社内の噂からこの日記を書いてみる。
地獄鴉と呼ばれる鴉がいる。 死体を大地に還元し、天露のエネルギー源とする存在だ。
朝倉からは彼女ほど物騒な妖怪鴉はいないと言われている。
ずばり言えば、彼女は前科持ちだ。
彼女が地霊殿という専用施設に突っ込まれている理由は単純だ。
彼女が暴走したとき、地上の生き物の９割が絶滅してしまったのだ。
もちろん、全てが彼女の責任ではないのだが運が悪く色々なものが重なったため
この鴉はとんでもない業を抱える羽目になったらしい。
問題はここからだ。
例の神社のおねえさんがこの妖怪鴉に目をつけてしまった。
確かにこの妖怪鴉が暴走すれば洒落にならない事態になるが
今やエネルギーはあったらあっただけ使うご時世だ。
上手い具合に制御すれば、幻想郷はエネルギー大国になるだけでなく
外の世界にエネルギーを輸出できる存在になるだろう。
これは会社にとってはとても困る。
エネルギー問題をあるていど会社に依存するという約束を隙間妖怪から取り付けているためだ。
幻想郷が独立を保っていられるのは、人の進入を拒みつつも完全に隔離しないことになったからだ。
もし完全に隔離したらどうなるか、まず間違いなく起るのは疑心暗鬼だ。
最後は外からの圧力で幻想郷は確実に崩壊するだろう。
おねえさんはその辺の情報をきちんと理解していなかったと言われている。
ではそれを阻止するためにはどうするのか？
地獄鴉の暴走が避けがたいものなら、エネルギーの制御ができるカミを
送り込むしかない。 おそらくだがそれが冴月なのではないかと思う。
とにかくこの冴月は謎が多い。
名前も既に怪しい。 麒麟の麟を使っている割に電力をエネルギーにしていないし
弾幕がまるで冴月を避けるように移動する場面も目撃している。
そして、今回暴走した地獄鴉も冴月もなぜか遠距離射撃を得意としている。
これは単純に偶然なのだろうか。
試しにそこのところを冴月に聞いてみた。
すると、自称現人神がヘタレだからとぼそっといってそのまま気を失ってしまった。
冴月は地獄鴉に憑依していなかったというのか。
どうやら推理を立て直さないといけないようだ。
