2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

○月 △日  No397 プロ同士のやりとり

いつものように商品を届けていたら、会社から電話がかかってきた。 この近辺に河童や天狗の洗濯物が飛んできているので拾っておいてほしいと 言う内容だった。 天狗たちにやらせろよと思う。 おおかた仕事をさぼろうとした天狗が、洗濯物を速く乾かすために …

○月 △日  No396 本来の使い道ではないもの

最近紅魔館で水廻りのトラブルが頻発している。 特に浴室廻りの水漏れが顕著だ。 もともと紅魔館の浴室は米帝製のネコ足バスを使用しているのだが これらは基本的に浴槽に水を貯めてはいるようにはできていない。 特に排水廻りにおいて水を貯めすぎたときの…

○月 △日  No395 幻想郷に暮らすための手続き

結界のインフレーション現象に乗じて巨大な建造物が幻想郷に舞い降りたらしい。 そこにいる人間を保護せよとお達しがきた。 通常幻想郷に行った人間は妖怪に捕食される運命である。 だがこの人間は捕食しようとした妖怪たちを返り討ちにしているらしいのだ。…

○月 △日  No394 幻想郷の林業

うちの会社の幻想郷現地法人 その中でひときわ異彩を放つのは林業を生業としている人々である。 私とは部署が違うため、滅多に顔を合わせることはないが 今日は彼らが詰めている小屋に食料や物資を運ぶことになっている。 荷物をよく見るとやけどの薬と携帯…

○月 △日  No393 霊能局のすごいひと

霊能局の小兎姫から「これから囮捜査をするから一緒にどうだ」と誘われた。 ボスにお伺いを立てると、後学のために行ってみるとよいと言われたので 同行することになった。 今回一緒になったのは霊能局の職員らしき長身の男と小兎姫である。 名刺交換を済ま…

○月 △日  No392 三途の川クリーン作戦

お盆の喧噪も静まり、とりあえず冥界も平静を取り戻しつつあるこの頃。 三途の川ではお盆ラッシュの最後の仕上げが行われる。 うちの職員おおよそ50人ほどを三途の川へ連れて行き、死神たちと合同で 川のクリーン作戦が行われるのだ。 お盆の膨大な交通量…

○月 △日  No391 芸術は爆発か?

幻想郷という隔離空間であっても芸術への想いは外の世界とまるで変わらない。 なにせ妖怪などは時間が有り余っているので、芸術をたしなむ妖怪は 結構な数がいる。 久方ぶりにメトセラ娘に会ったら、焼き物の釜はないかと言われた。 火力が簡単に調節できる…

○月 △日  No390 ボスという人物について

幻想郷に物資を運び続けるためには、数多くの取引先の仕事が欠かせない。 ボスはうちの人間が取引先に対して「下請け」という言葉を使うと 烈火のごとく怒る。 彼女はあの外見で数々の接待をこなしているようだ。 さすがに居酒屋などとはいかないがホームパ…

○月 △日  No387 エレクトロニックサンダー

事務所に昔なつかしいゲームセンターのテーブル台が置いてあった。 中身はこれまた懐かしいインベーダーゲームである。 一回遊んでみようとしたら、朝倉に止められた。 人を不幸にするアイテムとして、素人が扱うには危険な存在だという。 朝倉に言わせると…

○月 △日  No389 ヴィヴィットの床屋

幻想郷における床屋は、現代とひけをとらないきちんとした設備が整っている。 これには幻想郷における化粧技術と同様に、結界の外から散髪の技術者が 流入する度、幻想郷内で髪型のムーブメントが起こるからである。 霧雨店を覗けば、理髪のための様々な道具…

○月 △日  No388 面倒ごとは外でお願いします

列車から荷物が搬出されるのを見つめていたら、見たこともない天狗ふたりが 私の名前を呼んでかなり焦った。 一体何事かと聞いたら、二人はにっこり微笑むと会社で見たことのある あの二人へと姿を変えた。 それはこの前うちの会社にやってきた 借金取りであ…

○月 △日  No386 白狼天狗の皆さん

白狼天狗といえば、妖怪の山において索敵活動を営む存在である。 うちの会社とも取引があり、妖怪の山にある駅やドッグなどの警備などを 委託してもいる。 彼らの武器は強力な視力である。また暗視能力も備えており、警備活動をするには うってつけの身体的…

○月 △日  No385 信仰は生き続ける 変質はするけど

玄爺に言わせれば、結界の外は信仰が失われたと言われて久しいが それはとんでもない誤りであるらしい。 信仰の力が失われる八百万のカミの中で、未だに強大な力を維持し続けている カミはたくさんいるという。 その一人、天神様こと菅原道真は所謂雷神から…

○月 △日  No384 変な人が増えた 

妖怪の山の天狗たちに配送をしようとした帰りに行き倒れの女の子を発見した。 見たことのない姿をしており、放っておくのは危険と判断して介抱することにした。 熱中症の症状が見られたので、スポーツドリンクの素を使って飲ませたら 何とか目を覚ましてほっ…

○月 △日  No383 冴月の日記2

霊能局の小兎姫が血相を変えて私に助けを求めにきた。 あったはずの神社が突如消滅し、神社に送られていた念の行き場所がなくなったため 非常に危険な状態になっているとの事だ。 報道管制が働いて、火災で焼失したと報道されているそうだが、 実際は一部設…

○月 △日  No382 夢枕にたって

久方ぶりに白玉楼の様子を写真に納めて魂魄に見せたら 顔が真っ青になって悶絶している。 端から見たらきれいに整理された庭なのだが 確かになにか違和感がある。 写真を拡大してようやく意味を理解した。 この御庭番は斬ってはいけない部分まで斬ってしまっ…

○月 △日  No381 表札がない

幻想郷で個人やムラに住んでいる妖怪に配達するにあたり 非常に困るのは「表札がない」ことだ。 時代劇とかで奉行所の看板がついているのはあれは嘘だ。 視聴者がわかりやすくするための記号にすぎない。 鴉天狗の航空写真つきの地図をぼったくり価格で購入…

○月 △日  No380 魔界の職員ルイズさん

最近になって気がついたのだが、人にクリティカルな危害を与えるのは 総じて美人が多いようだ。 しかも本人が一番美しいときの姿になって 出てくることが多い。 死神のお知り合いである小町嬢も似たようなことを言っていたので 恐らく間違いないだろう。 た…

○月 △日  No379 月をめざして

香霖堂のところへ挨拶に行ったら、店主が欠伸ばかりしているので ハリセンで軽く殴っておいた。 どうやら深夜に香霖のところへ本を買い求めた連中がいるという。 大体の犯人は見当がつく。 買い物に来たのはおそらく紅魔館の連中だろう。 ロケットの写真集を…

○月 △日  No378 似たもの同士

霧雨のご息女と人形遣いのアリスは犬猿の仲らしい。 私に言わせれば意外なほど馴れ合っており、それほど仲が 悪いようには見えない。 二人の関係が少々ずれている理由についてボスが面白い話をしだした。 実はボスは魔界にいるという創造者、これはすなわち…

○月 △日  No377 米帝の幽霊退治屋

米帝にある民間の幽霊退治専門業者と技術交流。 この業者は独自に幽霊を捕縛するビーム兵器と、幽霊を捕えて封印する専用の 機械を開発しており、一般市民の電話ですぐにかけつけ幽霊または妖怪を捕獲して いくという商売をしている。 捕獲された妖怪は船便…

○月 △日  No376 日頃の行い

鴉天狗曰く、ここ数日間鉄の牛が幻想郷に出没するらしい。 おそらく乗用車が幻想郷に迷い込んだのであろう。 通常幻想郷に乗用車が走ることは殆ど無いので 妖怪たちも住民たちも興味津々である。 通常、乗用車が走る状態で幻想郷に入ることはきわめて希であ…

○月 △日  No375 罰当たり

幻想郷でも暑いものは暑い。 ヒートアイランド現象とか温暖化現象とかの影響で 幻想郷と結界の外の気温差は5度近いはずだが、35度と30度では あまり有り難みは湧かない。 むしろエアコンの存在があるので幻想郷の ほうが暑いという印象すらある。 そん…

○月 △日  No374 お盆ですよ

お盆に向けての動員計画が発表になる。 お盆の帰省ラッシュで幽霊たちを顕界に送るための臨時列車を 編成するためだ。 キセル乗車が後を絶たないために、今年は死神による運賃請求から 自動改札機を用いることになった。 数千台にもおよぶ自動改札機のテスト…

○月 △日  No373 政治と妖怪の世界

テレビである条約の調印式が映されている。 それを目に隈ができた朝倉が「こいつは影武者だ」と言っていた。 どうやら幻視はモニター越しにも通用するらしい。 現代社会にとけ込む妖怪たち。 新しい技術という体を手に入れた者もいれば財を成したもの 冴月の…

○月 △日  No372 人形遣いのアリス

人形遣いのアリス 彼女は昔から人形を使っていたわけではない。 朝倉に言わせると有り余る魔力の制御方法を模索していくうちに人形を制御する方向に 傾いたらしい。 彼女にとっては捨食の術も、自分の魔力のはけ口の一つに過ぎない。 魔法使いでは先輩に当た…

○月 △日  No371 妖怪と宇宙食

種子島宇宙センターへ朝倉、岡崎と一緒に視察 幻想郷に運び入れる物資の一部がここに集まっているらしい。 その物資は宇宙食である 妖怪たちが食べる食べ物を視察するのだ。 本来なら食品メーカーに話をするところだが 勘くぐられると危険なため偽装がしやす…

○月 △日  No370 幻想郷の生き字引

人間よりもはるかに身体能力が高いと言われる妖怪たち。 一見、人間よりも優れた能力をもつ彼らも弱点は少なからず持っているらしい。 ボスは妖怪の弱点をひとつひとつ説明する。 彼女の頭にはまるで幻想郷の住人ひとりひとりがインプットされているのでは …

○月 △日  No369 幻想郷のファッション

妖怪も女の子 化粧も大好きである。 隙間妖怪や冴月は自分の姿形を変えられるのに化粧を欠かさないし 朝倉も現代風の化粧を施しているから、妖怪でありながら顕界の 女性とは雰囲気が変わらない。 そして幻想郷にも化粧品の流行が存在する。 幻想郷だからと…

○月 △日  No368 妖怪達の恋

会社に出社すると朝倉の姿がなかった。 どうやら有給休暇をとっているらしい。 冴月が昨日の事故で朝倉がずいぶんと取り乱していたことを教えてくれた。 幻想郷の病院ではなくより機材がそろっている妖怪の山の病院をチャーターしたのも 彼女だったらしい。 …