○月 △日  No383 冴月の日記2


霊能局の小兎姫が血相を変えて私に助けを求めにきた。
あったはずの神社が突如消滅し、神社に送られていた念の行き場所がなくなったため
非常に危険な状態になっているとの事だ。
報道管制が働いて、火災で焼失したと報道されているそうだが、
実際は一部設備を除きすべてが霧のように消滅してしまったとのこと。


容疑者の写真を見せていただいた。
私にはまだ年端のいかない少女のように見える。
博麗の巫女とほぼ同年代ではないだろうか。
彼女は現人神を名乗り様々な奇跡を起こしていたそうで、顕界からみたら
きっと胡散臭いだけの人物だと思われるだろう。
霊能局からもスカウトが試みられていたそうだが、うちの会社では理香子さんが
反対して保留になった人物だったと思う。


米帝から運び込まれた八雲の力を借りない送還銃のテストをかねて
現地へ赴くことになった。
ボスに報告しようとしたけど、ボスは新作のカードを持って幻想郷入り
しているとチーフから報告を受けた。 目的は大体の見当がついている。


現地では行き場を失った念積体の処理に霊能局の人たちがずいぶんと
苦労しているようだ。
私も早速駆除を始めたが米帝から来た送還銃は単品では送還できないことが
分かって残念である。 人間が作った物にしては良くできているのは認めるが、
この銃は念積体をビームで捕獲して、小型八卦炉に閉じこめ物理的に
幻想郷に運び込む道具だったわけだ。


結局、八雲たちに許可をいただきいつも使う銃を使用させてもらった。
私の勘が正しければこれからが大変だろう。
どちらかといいえば、受け入れる側が大変というべきかも知れない。


帰ったらチーフが「また変な奴が増えた」と毒づいていた。