○月 △日  No373 政治と妖怪の世界


テレビである条約の調印式が映されている。
それを目に隈ができた朝倉が「こいつは影武者だ」と言っていた。
どうやら幻視はモニター越しにも通用するらしい。


現代社会にとけ込む妖怪たち。 
新しい技術という体を手に入れた者もいれば財を成したもの
冴月のように姿形が変えられることを利用して政治家に擬態して
影武者家業をしている者もいるようだ。
もちろん、擬態を見破る手だてもかなり進歩しているので
今回の擬態も双方合意の上で行われていると言えるだろう。


最近妖怪の社会進出がめざましいと思ったら
魔界を通じて妖怪たちが顕界で生活しだしてそれが
社会問題になりつつあるそうだ。


鬼たちが要人のSPとして雇われることもあるらしい。
魔界の人員整理で鬼たちが再就職先を探していたため
就職先を斡旋したらそうなったらしい。
もともと鬼と人間の差異はほとんどないので、一度永住権を
得れば普通人間として住めるらしい。
地獄で人間の特性を学んだ鬼たちは、人間が弱さゆえに嘘をつくことも
承知しているので全く問題がないらしい。
中にはその体格を認められて映画に飛び出した鬼もいるそうな。
この調子だと、知事になる鬼も出そうで怖い。


某先進国で就職できない人間が溢れている中
妖怪たちは引く手あまたとはなんとも皮肉な話だ。


一方で閻魔様が本来の位である藍色の服ではなく、最高位に近い紫の服を着ていて
度肝を抜かれたが、「予算がなくてとりあえず紫の服を渡された」と
言われた。 あちらの予算不足は結構深刻のようだ。 
冴月が幻想郷に妖怪を送り続けている陰で起こる
この珍現象には正直頭を抱えるしかない。