テレビである条約の調印式が映されている。
それを目に隈ができた朝倉が「こいつは影武者だ」と言っていた。
どうやら幻視はモニター越しにも通用するらしい。
現代社会にとけ込む妖怪たち。
新しい技術という体を手に入れた者もいれば財を成したもの
冴月のように姿形が変えられることを利用して政治家に擬態して
影武者家業をしている者もいるようだ。
もちろん、擬態を見破る手だてもかなり進歩しているので
今回の擬態も双方合意の上で行われていると言えるだろう。
最近妖怪の社会進出がめざましいと思ったら
魔界を通じて妖怪たちが顕界で生活しだしてそれが
社会問題になりつつあるそうだ。
鬼たちが要人のSPとして雇われることもあるらしい。
魔界の人員整理で鬼たちが再就職先を探していたため
就職先を斡旋したらそうなったらしい。
もともと鬼と人間の差異はほとんどないので、一度永住権を
得れば普通人間として住めるらしい。
地獄で人間の特性を学んだ鬼たちは、人間が弱さゆえに嘘をつくことも
承知しているので全く問題がないらしい。
中にはその体格を認められて映画に飛び出した鬼もいるそうな。
この調子だと、知事になる鬼も出そうで怖い。
某先進国で就職できない人間が溢れている中
妖怪たちは引く手あまたとはなんとも皮肉な話だ。
一方で閻魔様が本来の位である藍色の服ではなく、最高位に近い紫の服を着ていて
度肝を抜かれたが、「予算がなくてとりあえず紫の服を渡された」と
言われた。 あちらの予算不足は結構深刻のようだ。
冴月が幻想郷に妖怪を送り続けている陰で起こる
この珍現象には正直頭を抱えるしかない。