□月 ●日  No1122 たのしい地底ライフ


メリーとレンコを魔界に連れて行く。 仕事というより殆ど観光である。
地上は天気も安定しないしちょっとした遊びに行く気分である。
若い女の子と一緒というのはなかなか心躍る物がある。


魔界へのルートはやっぱり列車を使用する。
魔界と幻想郷の間には瘴気と呼ばれる不快感を与えるため作用をもつ結界が用いられており
侵入は容易ではないからである。
なにしろ魔界は地獄と直結している関係で生きている人間がホイホイと侵入するのは
危険極まりないからである。 建前上。


ここで瘴気についてちょっと書いてみようと思う。
朝倉によると瘴気とは死の臭いを漂わせた場所であるという。
生き物は生きるための本能として死んだ者の臭いを忌み嫌うように出来ている。
最近 虫の死骸が発する臭いが虫への忌避成分として利用できることが知られている。
大量死滅の現場や病気による大量死滅に対してすこしでも近寄らないように
するのが目的と言われている。


瘴気にはもう一つ重要な意味がある。
月の民の侵入を防ぐためのバリケードとしての役目である。
死の臭いを穢れていると考えている彼らの思想を逆手に取った戦略と言えるだろう。
地上を守る為の最終防衛ラインという理解で間違いない。
博麗の巫女が月人との戦闘で瘴気を少量撒いたが、これを大量に撒けばさすがの月人も
侵入する気が失せるのである。


瘴気さえ突破すればあとは地底はいいとこ一度はおいで状態である。
よく地底に封じるという言葉があるが、封じると言うより寧ろ引っ越して貰うって意味合いが
強いのではないとすら思う。
そうでなければ地底の鬼と言い妖怪と言い基本的には陽気な連中ばかりにならないだろう。
魔界出身で今は上にいる妖怪や魔法使いを知っているが皆社交的で明るい連中ばかりだ。
地底に封じられた妖怪が人間への恨みで云々という話はよく聞くが実体はちょっと違うと
思っていいかもしれない。


パンデモニウムで物を運ぶ傍らショッピングをしたが、魔界神のお膝元だけに
やたらと物資が多いようだ。 うちから運んでいるものも燃料や鉱物資源ばかりなのも頷ける。
適当に置物とかゴミ箱とかデザインの良さそうな物を見繕って買ってきた。


そういえば、北白河に似た服を着ている人を見かけたが、外の世界の流行も
素早く追えるという意味なのだろうか。