□月 ●日  No1199 電飾城砦


幻想郷だというのに、LED電飾照明を大量搬入。
どこに運び込むかと思ったら、そこは地下奥深く、魔界の移動要塞パンデモニウムだった。
なんでもパンデモニウム恒例電飾要塞という企画らしい。


本来なら電球タイプの電飾のほうが幻想入りを果たしている点、はるかに入手しやすいのだが
神綺様が電球タイプの発電は疲れるという鶴の一声からルール無視のLED照明導入に至った次第。。
顕界ではクリスマスと言うこともあり、ここでひとつパンデモニウムを幻想的モニュメントに
してしまいたいという意図がはたらいているようだ。


こういう発想になったのは魔界の成り立ちを学ぶ必要があるだろう。
魔界は古くからカリスマ級妖怪たとえば魔王などが封印される場であった。
恐ろしい特別な場所。まるで地獄絵図のような世界と思われていた。
しかし実際は、復活する気が失せるくらい物資に恵まれた環境の良い場所であった。
酷いケースになると私を封印してくれてありがとうって言ってる妖怪もいるくらいだ。


こういうカリスマ妖怪は大体自己顕示欲も強い。
たくさんの人間に向かって宣戦布告するような奴らだ。
目立ちたがりで寂しがりやの構ってちゃんが多い。
そういう奴らが集まった魔界の活気はかなりのものだ。
まるで一世代前のSFにでも出てくるような退廃的でもエネルギーに満ちあふれた世界である。


大量搬入された照明は早速パンデモニウム外郭に取り付けられる。
色とりどりの照明が取り付けられお世辞にも趣味がいいとは思えないが
これが魔界流なのだろう。
施工は鬼たちが執り行っていた。 手慣れているようでてきぱきと貼られていく。
足場が必要な場所は、大きくなって作業していたのが印象的だった。
鬼たちが巨大化できるのは本当はこういう作業の為じゃないかと思える。


ほどなくしてできたパンデモニウムは煌びやかな物体へと姿を変えた。
照らされた地霊殿が偉い色になっている。
灼熱妖怪や死体運び猫がはしゃいでいたが、地霊殿の主人は寝ることができないと
毒づいていた。 
アイマスクをすれば良いだろと心の中で思っていたら、
「その手があったか」と手を叩かれた。