■月 ○日  No413 悪魔召還


よくあっては困ることだが、自分のどうしようもない欲望のために
幻想の生き物を呼び出そうとするのはやめていただきたい。
大体において、呼び出した本人がまともな目に遭わない。


悪魔を呼び出す儀式をしている馬鹿がいると知らせを受けて
小兎姫と一緒に見物もとい逮捕に向かう。
外部からの観測結果から儀式はほぼ終了していることは推察される。
見物と言ったのは、朝倉が施術の状況を観測、解析した結果
重大な誤りが見つかったからだ。


私の目的は呼び出された妖怪を送り返すことである。
小兎姫がドアを蹴散らし、完全武装した兵隊とともに突入。
その後ろをそろそろと追いかけていく。
我々の行動に気づいた相手はいよいよ術を完成させてしまった。
兵士たちのどよめき 焦る小兎姫 ドライな私


現れたのはルーミアだった。 
私の姿を発見するや否や「お菓子のひとだ」と言われたため、周囲の視線が
私に集中する。
呼び出した本人は呆然 悪魔を呼び出そうとしたら女の子がやってきたのだから
当たり前である。 その気持ちは痛いほどわかる。
もっともこの術 実際に成功しても紅魔館の司書を呼び出す程度にしか
ならないらしい。 無知とはなんと恐ろしいことか。


呼び出した主はこの世を闇に包み込むものを呼び出そうとした。
確かにルーミアは「闇に包み込む」ものである。 施術はきちんと実行されている。
ルーミアがおやつをくれと五月蠅いので、呼び出した主を指さして
「こいつがおやつ」と言った。


作戦は終了した。 呼び出した奴は二の腕がなくなったところで捕えられた。
お腹がふくれて寝てしまったルーミアを列車で送る手続きをする。
幻想の生き物を利用した代償はとても大きかったといったところか。
事のあらましを聞いた朝倉は大笑いしていた。