■月 ○日  No423 後片付けと妖精処理


例の神社で自称現人神たちが持ち込んだ結界の外からやってきた物品を整理する。
北白河を応援に呼び、里香女史から借りたリストを参考に幻想郷へ持ち込みができない
品々を箱に詰めて基地に送る作業である。


私はというと、物凄い状態になっていた冷蔵庫の清掃をしていた。
カビはすごいし、臭いもかなりのものである。 捨てたいのは山々なのだが
新しい電化製品を持ち込むわけにもいかず泣きたくなってくる。
実は作業前に香霖堂で冷蔵庫を購入しようとしたが、彼の商品管理体制を
甘く見ていた。 ここで掃除した方がマシであった。


救いと言えば事の次第を聞いた自称現人神の対応がかなり軟化したことだろう。
お陰でずいぶんと作業がやりやすくなった。
何しろ、彼女を介抱している間も下手に物品をいじることができなかったのだ。


もう一つ問題もあった。 今、自称現人神を介抱しているのは明羅女史だが
普段は妖怪ネゴシエーターの彼女がやってきたのには訳がある。
妖精どもが物珍しさにここを訪れて、物を持ち去ろうとするからだ。
もし、幻想郷にとって問題のある品々が持ち運ばれれば大変なことになる。


特に悪戯好きの三月精なる妖精どもは私自身、かなり迷惑を被っている。
それを明羅女史と応援兼清掃係のヴィヴィットが追い払うといった
有様であった。 あまりひどいのでヴィヴィットが三匹を捕獲
逆さ吊りにして数時間放置してやったらしい。 勝因はヴィヴィットには
光を操ることも音を探ることも通じなかったことだった。


さて、うちの会社に自分の借金を押しつけたおねえさんであるのだが
フレンドリーを通り越してなれなれしいことこの上ない。
そのことを冴月に話したら、「もしおねえさんが狼藉を働いたらすぐに呼べ」と
真顔で言われた。 冴月の手にはアサルトライフルが入ったケースが
下げられていた。