□月 ●日  No667 撒餌はやめて


紅魔館付近の湖でバイオハザードが発生。
巨大な魚が闊歩して生態系破壊の大ピンチ。 
自称現人神が異変の原因と思われる薬屋のところへ殴り込みに行ったら
兎一同土下座して謝られて拍子抜け。
どうやらメトセラ娘と釣り勝負をするときに、ちょっとした撒餌をしたようだ。
その撒餌によって大きさ3尺を超えるような巨大魚が出現したらしい。


こうして湖で起きたちょっとした異変は解決するかに見えた。
しかし、肝心の薬屋自身、魚を元に戻す方法が分からないらしい。
仕方なしに魚たちの捕獲作戦が実行に移された。


今回の作戦で呼び出されたメンツは三人。
私とヴィヴィット、そして冴月だ。 私は後方支援である
まずは冴月。幻想郷外から持ち出したカーボン製釣り竿を持ち出して釣りを開始。
力尽くで魚を釣り上げて、無表情で背骨を折ってくる。
内蔵を切り裂いて見てみると、中から妖精がガタガタ震えながら縮こまっていた。
冴月曰く、妖精の親玉「大妖精様」だそうだ。
ひねりのないネーミングセンスだが、妖精同志の暴走を押さえている珍しいタイプの妖精である。


ヴィヴィットの様子が見えないので双眼鏡で辺りを見渡してみると
年代物の潜水服が紅魔館からやってきた。
なんだこれはと思って、美鈴女史に尋ねると中身はヴィヴィットらしい。
実はヴィヴィット。そのままでは湖に沈んでしまうので、ノーレッジ女史に頼んで
水中装備を調えたそうな。


ごつい外見になったヴィヴィットから書類が手渡される。
ノーレッジ女史からの請求書だった。 天文学的値段が書かれていたのでヴィヴィットに
文句を言ったら、たいした額ではないと言われたと涙声になっている。
あとで朝倉に話をしておくことにする。


こんな姿格好で魚なんてとれるのかと思いきや、ノーレッジ女史が開発した
魚を呼び込む照明を使用したとかで魚はみるみる寄ってくる。
しばらく魚に翻弄されるもどうにか捕獲。
「獲ったどー」と叫んでいるけど取りあえず他人の振りをすることにした。


冴月から捕った魚をさばくように言われたので内臓を取り出してみると
中から橙が現われた。 思わずコメントに窮した。
どうにか救出して替えの衣服に着替えてもらう。
引き取りに来た中間管理職狐。珍しく目に涙をためておいおい泣いていた。


切り身にした魚は持ち帰ってうちの研究所で分析されるとのこと。
8枚切った筈なのだがなぜか6枚しかなかったが気のせいに違いない。




その後巨大化した中間管理職狐と橙が隙間妖怪にどつかれたという話を
鴉天狗から聞いたがそれはそれである。