■月 ○日  No420 電気に頼って生きる世界


借金取りの天狗二人が、博麗神社の賽銭箱の中身を取ろうと四苦八苦しているのを
目撃する。 慌てて止めに入ったら、借金は博麗神社に請求してくれと
住民に言われたらしい。 いつの話だと聞いたら自称現人神が倒れた後の事だったので
頭が痛くなった。 本気でアスピリンが欲しい。


苦情を言いに、例の神社に突入。 中に入ったら快方に向かっているとはいえ
半寝たきりの自称現人神と介抱する明羅女史の姿を発見する。
明羅女史は手慣れた手つきで、自称現人神の体勢を変えてやっていた。
床ずれ防止のためである。 阿礼乙女介護の練習にちょうどいいと
明羅女史は苦笑していた。


問題の原因となったおねえさんを探したら、何でも昔の友人に会いに行くと言って
出かけたらしい。 仕方がないので待ちぼうけすることにした。
外では河童が電気を引くための現場調査をしていた。
汚水を処理する合併処理浄化槽が機能停止したらしく、悪臭が酷いと文句を言っている。
合併処理浄化槽はバクテリアの繁殖を助けるために空気を送るモーターを
動かし続けなくてはいけない。 電気が止まるとバクテリアが死滅して処理できなくなった
汚物が浄化槽の中にたまるのである。


こうやってみてみると、神社であっても現代ではいかに電気に頼り切りで
生きているのかわかる。 自称現人神の苦労が忍ばれる。
流石に可哀想になったので自分が持っている調味料ストックを台所に置いておいた。
明羅女史によると時折流動食を食べるくらいまで回復したそうだ。


中途半端な知識で幻想郷の食べ物に手を出して、食中毒にかかったことも
明羅女史の話でわかった。 自然の食べ物は時として人間に牙をむくことがある。
結局夕刻になってもおねえさんが帰ってこないので、河童が置いていった
配線の見積書をもって帰社することにした。
本当何処に行ったと言うのだろう。