2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧
結界のインフレーション現象が安定動作しだしたらしい。 それに伴いうちの会社の基地も移転に向けて着々と進行しているようだ。 本社に戻ると、研究員の動きがあわただしい。 最近、朝倉が冴月たちを連れて射検場を出入しているようだ。 射検場は立ち入り禁…
女の争いは醜い。 同僚の結婚式の日、目を血走らせながらブーケの奪い合いをしている 里香女史と朝倉のふたりを見てそう思った。 ボスがぱんぱんと手を叩くと、暴徒鎮圧弾を携えた冴月が現れる。 後は事の成り行きを見守るだけだった。 新婦の家族の一人がシ…
妖怪のクレームは命に関わる事態である。最悪それで職員が命を落とす場合すらある。 特に低知能妖怪でその傾向が強い。 そのため、うちの職員でも戦闘能力の高い人たちは 一般的に低知能妖怪を担当することが多く、逆に私のような戦闘能力ゼロの人間が 高い…
結界の再生成がそろそろ近い。すでに境界では混乱が発生しており不必要な神隠しも頻発している。 これは結界のインフレーション特有の現象であり、隙間妖怪の力ではどうすることもできないらしい。 問題は妖怪の捕食能力を超えて外来人がやってきてしまうこ…
結界の外からやってきた人間が、町に住み着いて商売を始めたらしい。 その人物は商才があるのか、はたまた幻想郷という市場があまりにぬるま湯に浸かっていたせいなのか 商売が軌道に乗り始めた。 株仲間にも足を運んで一生懸命幻想郷に溶け込もうとする姿は…
人間の里にある盛り場。 ここは人間も妖怪もやってくる不夜城である。 そこの店員から、最近一部の妖怪の羽振りがいいという話を聞いた。 原因を調査すると、妖怪の衣服を売る古着屋の存在が明るみに出た。 だが、通常妖怪たちは古着に頼らなくてもうちの会…
仏国の妖怪と人間混成の外人部隊。 妖怪は兵器として信頼性が低すぎることをどのように解決しているのか 何のことはない。 人間の歩兵と同じ運用方法らしい。 妖怪の能力は誤爆も多いし、力を発揮できない場合も多いことから主武装は通常兵器になる。 基礎体…
妖怪の一人から、自分の衣服を洗濯代行してくれるところがあると嬉しいと言われる。 確かに、レースやフリルがついたものを洗濯するのは並大抵の努力ではない。 そこで、カーテン用の洗濯機と乾燥機をヨーロッパから取り寄せてみた。 届いた洗濯機は恐ろしく…
久方ぶりにメトセラ娘のカルテを受け取る。 中身は良く分からないが、所見は異状なしとのことなのでいいのだろう。 蓬莱の薬を服用した唯一の人間ということだが、もしその子供がいたら やはりその子供も不老不死になるのだろうか そうなるとどの段階で不死…
今日は人間の里で、カラクリを扱うことができる人材のヘッドハンティングである。 当社としては現地の事情もわかりつつ機械のこともわかる人間は貴重な存在である。 かれらが将来、妖怪たちに仇なす存在になるのを防ぐ狙いもある。 里香女史が私も行くと言っ…
久しぶりに魂魄が私に話しかけてくる。 何度も言うようだが先代である。 明羅という人が女にモテるが、その秘訣を教えてくれないという。 明羅さんは女性ですよと言うとえらく驚いていた。 入社してからずっと男と思っていたらしい。 朝倉とか里香女史のよう…
この時期になると、幻想郷と結界の外の世界のギャップを嫌でも思い知らされることとなる。 掲示板の上には取引先会社の休日予定が張り出されている。 ゴールデンウイークである。 新入社員たちは休みがないことを知って文句をたれている。 毎年見る光景だ。 …
岡崎とボスが米帝から帰ってきた。 岡崎の両手には沢山の袋が下がっている。 アウトレットショップで買い込んだブランド品の数々である。 朝倉や北白河が大喜びして商品の物色を始めていた。 ああ、やっぱり普通の女の子なのだなと感じ入る。 ボスもちゃっか…
冴月が珍しく風邪で寝込んだため、白玉楼への配達業務が回ってきた。 白玉楼は、紅魔館を超える危険地帯で知られる。 特にここに住む住人はうちの社員でさえ近寄りたがらない。 届けるものは庭園用の部材と封筒である。 しかもこの封筒は直接、本人に届けな…
冴月の度重なる働きかけのお陰だか知らないが、 紅魔館門番である美鈴女史による教練が実現の運びとなった。 紅魔館入り口を会場にするならよいということである。 社内で募集をかけたところ、部署を超えて沢山の人数の応募があった。 大半が美鈴女史目当て…
国際イベント招致に関してボスと通訳の岡崎が米帝に飛ぶ。 スポンサーとして誰が名乗り出るか、各企業がいくら資金を拠出するかを決める会議である。 国際イベントでは大きなカネが絡んでくるが、妖怪系企業ではもっと別な意味合いがある。 自力で博麗大結界…
新入社員を連れて、ちょっと悪戯 ルーミアに会うと、決まって彼女は 「こいつは食べてもいい人類?」と聞いてくるので 「ああ、食ってもいい人類だ」 と言ってその反応を楽しむのである。 今年はちょっと趣向を変えて上白沢にお願いしてみた。 「こいつは食…
薬屋の診療所は相変わらず繁盛している。基本的に排他的な幻想郷においてこれは異例の事態である。 だが、彼女の活動を見るとそれ当然だと思えてくる。 最近はニート姫や人形たちも診療所を手伝うようになった。 毎日のように感謝されたりするので本人たちも…
妖怪の山ではうちの会社の倉庫や、鴉天狗の現像所などがあるとかで、一部の妖怪については 出入が非常に多い。 外の世界から運ばれた物品で在庫に出来るものはここで一時保管される。 そこにいる里香女史は私にとっては大先輩に当たる人である。 最近、報道…
人に物を教えることは物事の理解を深めるために必要なことだと思う。 最近は新入社員向けの研修を朝倉の代わりにやるようになった。 間違ったことを教えてはいけないので、必死こいて勉強するようになる。 今日は各妖怪たちの対応の仕方の講習である。 新入…
香霖が珍しく私に相談してきた。 客は満足して帰るのに何故商売がうまくいかないのか? 原価意識や在庫管理はさておいて、私が個人的に考えていることを話すことにした。 商品を売ると言うことは、商品を右から左へ流すことではない。 そんなことは式神や妖…
ボスが閻魔様と一緒に遊びにでかけた。 玄爺や魂魄が護衛についている他は、誰が見ても女学生の風体にしか見えない。 留守を任された朝倉が一日ボスである。 そんな朝倉の朝礼がひどい。 シロアリという生き物には働きアリと兵隊アリがいる。 兵隊アリは普段…
幻想郷の外の世界、たまに私は警察の手に負えない事件の捜査協力をすることがある。 今回の件は密室殺人であるが、被害者は捕食された形跡があるほか爪で引っかかれたような傷があった。 残されたのは一枚のカードである。血によって汚れているが、隠し撮り…
紅魔館で食材や酒類の大量注文。 どうやらパーティを開くらしい。 幸い、結界を突破しなくても現地倉庫内の在庫で賄えそうなので一安心する。 現地倉庫の在庫が足りないと、結界突破列車を走らせないといけなくなるため アホみたいに時間がかかってしまうの…
香霖のところへ決算棚卸しをしたが、どうも在庫と売り上げ台帳が合わない。 博麗の巫女が持っていったからとも考えられたが、その場合は専用の台帳があるので 基本的に在庫に違算は発生しないはずである。 考えられることは紛失、破損、盗難の三点であるが、…
妖怪の山にある八雲商事現地法人 そこにある岡崎の机の上に、得体の知れない布の袋が置いてある。 岡崎に「これはなんですか」と聞いたら、八卦炉小型化プロジェクトの一環で試作した加速装置だという。 目立たないように胸パット型にしてメイド長に進呈した…
商品には発注単位というものが存在する。 基本としてはダース単位であり、それ以下の発注では割高になるか 最低量で納品されるかのどちらかだ。 コンビニエンスストアでは小分け発注がなされているが、これは店舗を密集させて 出展させているため、運送コス…
プリズムリバー家の復元や紅魔館向け調度品のため、うちの会社で扱う商品も輸入品が多くなっている。 ところが米帝製の調度品は品質管理がずさんで、一度開封しないと恐ろしくて出荷できないことが多い。 その調度品は扉の裏側に、なんと靴跡がついていた。 …
妖怪たちは殺し合いをしない。 正確にはしてはまずい。 妖怪たちの多くは、その種としての総体の中の「ハブ」の役割を持っているという。 たとえば、万が一ある妖怪を殺してしまったら、その妖怪に繋がる種の活力までもが失われる。 が、それだけではない。 …
幻想郷の住人、ここでは人間を指すが、彼らは土着志向が強くとても閉鎖的だと思う。 一つにまとまれば強いが、考え方が常に旧態依然としている。 しかも、自らのコミュニティから外れた者にはどこまでも残酷になれる特性もある。 ある意味妖怪のほうがまだま…