◎月 ▲日  No225 戦車娘


妖怪の山ではうちの会社の倉庫や、鴉天狗の現像所などがあるとかで、一部の妖怪については
出入が非常に多い。 
外の世界から運ばれた物品で在庫に出来るものはここで一時保管される。
そこにいる里香女史は私にとっては大先輩に当たる人である。 
最近、報道管制関連の仕事で一緒することが増えた。
結界が再生成するまで一ヶ月を切ったため、異変に対してかなり神経質になっているらしい。
間延びした会話が印象的だが、技師としての能力は岡崎には及ばないものの、かなりのものとの評判だ。
そして何より、岡崎と比較してデザインセンスがマシである。


倉庫の中を散策していると、見慣れないメカニックが置いてある。
外の世界の戦車のような姿だがスペルカード普及前に開発された対妖怪用兵器だったらしい。
しかし機動力不足で妖怪たちに対して満足な戦果をあげられなかったそうだ。
博麗の巫女と戦えるほどの戦闘能力だというから、一般の妖怪についてもこれで十分だとも思ったが
紅魔館の住人たちのケースもあり、兵器としてはとても使えないと判断されたのだろう。


今日はその里香女史に届け物である。 沢山のダンボールが社内便に乗せられて運ばれてきた。
機材の設計図だと思ったそれは、お見合い写真と人事部から入手した新入社員の写真であった。
あまりいい男がいないと洩らす里香女史を見なかったことにして私は通常業務に戻った。