■月 ○日  No228 妖怪の世界


国際イベント招致に関してボスと通訳の岡崎が米帝に飛ぶ。
スポンサーとして誰が名乗り出るか、各企業がいくら資金を拠出するかを決める会議である。


国際イベントでは大きなカネが絡んでくるが、妖怪系企業ではもっと別な意味合いがある。
自力で博麗大結界を突破できない妖怪たちをまとめて移住させるチャンスなのだ。
かつては戦争のドサクサで妖怪たちを移住させていたこともあったらしい。
もちろん妖怪たち個別に移住させることは隙間妖怪の力があれば容易い。
しかし、時差によっては隙間妖怪の活動時間に移住したい妖怪たちが睡眠中という
間抜けな問題がある。 隙間妖怪も二十四時間戦えない。
冴月の送還銃もあるが、こちらは隙間妖怪のような融通が利かないし、使用は八雲一家の都度許可制だ。
こうした妖怪たちを合法的にしかも安全に送るために有効な手段が、国際イベントに
便乗させる方法なのだ。
この方法だと列車を予めチャーターすれば、結界の損傷を最小限に大量の妖怪たちを
幻想郷に移住させることができる。 


もっとも、ここで決められたことがすぐに人間達の政治に反映されるわけではない。
ここで拠出されたお金の一部は、その後人間達によって行われる会議の工作資金として
割り当てられる仕組みである。
そこに絡む様々な思惑についてはあまり考えたくないというのが正直な感想だ。