■月 ■日  No229 Hong Meirin's the Boot Camp


冴月の度重なる働きかけのお陰だか知らないが、
紅魔館門番である美鈴女史による教練が実現の運びとなった。 
紅魔館入り口を会場にするならよいということである。
社内で募集をかけたところ、部署を超えて沢山の人数の応募があった。
大半が美鈴女史目当てというどうしようもない状態である。
流石に誰でも連れて行くわけにもいかないので、体力テストで高いスコアの出た者を連れて行くことにした


列車の中はまるで修学旅行気分である。
中にはサイン色紙を持ち込んでいるバカもいた。 サインを書いてもらっても
幻想郷に一度持ち込んだ物は持って帰れないことを忘れているらしい。
カリキュラムの内容は呼吸法である。 不測の事態に対して一度冷静になるための訓練をする。
我々の仕事では不測の事態に冷静に対処できないと最悪、死んでしまうこともあるからだ。


かくて研修は始まった。 皆大人しく訓練を受けていてとりあえず安心したのも束の間、
質疑応答が荒れに荒れた。 
途中から好みの男性やらほしいものはありますか?などとプライベートの質問ばかりになる。
私が一喝しても静かにならないのを見た美鈴女史が、一閃「喝」と叫ぶと皆が一気に静まり返った。
何が起こったのかと辺りを見回すと全員が失神している。 気を操る能力の一端を見た気がした。
美鈴女史に謝り倒しどうにか参加者を運んで終了、大の男を二人同時に担いでいく美鈴女史だが
連中が美鈴女史に触れたと大興奮しそうなので運んでもらったことは黙っておこうと心に誓った。
朝倉は私の報告に苦虫を噛み潰したような顔になって呻いていた。