◎月 ■日  No215 妖怪と博麗の巫女


妖怪たちは殺し合いをしない。 正確にはしてはまずい。
妖怪たちの多くは、その種としての総体の中の「ハブ」の役割を持っているという。
たとえば、万が一ある妖怪を殺してしまったら、その妖怪に繋がる種の活力までもが失われる。
が、それだけではない。
豊穣とした大地でさえたった一匹の動物の死滅によって砂漠の大地へと変わってしまうこともあるのだ。
そこで大体の妖怪は、万が一の事故を想定してリミッタ装置を常に用意している。
たとえば、橙の場合は法印や駆式で容易に戻すことができるし、ルーミアなどはアクセサリの中にリミッタ装置を
内蔵しているケースもある。


博麗の巫女ともなれば、危害を加えたり怪我をさせた場合大変なことになる。
わが社の罰則規定によると最低でも半年以上の減給ならびに謹慎、
または懲戒免職というかなり厳しいものとなっている。
ちなみに万が一巫女が殺害され場合は、冥界を動かしてでも巫女を蘇生させる手はずとなっている。
殺害した犯人は霧雨のご息女であろうとも問答無用で死刑である。 
正確には存在消去であろう。
外部の妖怪が巫女に危害を加えようとした場合はただちに幻想郷から排除されるようにもなっている。
幻想郷から追い出された妖怪たちはたちまち力を失って、多くの場合は軍部の訓練で使う的の代わりとなる。
その場合生態系の保護より幻想郷の維持が最優先される。
このさじ加減が難しいようだ。


もっとも大体の妖怪は新しいおもちゃであるスペルカードをうけとってすぐに異変を起こし
博麗の巫女に退治されてここのルールを知るというケースが多いようだ。
こうして魔法と憩う世界「幻想郷」の平和は守られている。