◎月 ☆日  No216 米帝の商品はDIY前提


プリズムリバー家の復元や紅魔館向け調度品のため、うちの会社で扱う商品も輸入品が多くなっている。
ところが米帝製の調度品は品質管理がずさんで、一度開封しないと恐ろしくて出荷できないことが多い。
その調度品は扉の裏側に、なんと靴跡がついていた。
こんなものが紅魔館のメイド長にばれたら即刻殺されてしまう。


そこでメーカーの担当者に苦情の電話を入れるのだが、靴跡がついているならクレンザーで消せばいいだろと言う。
表面に傷がつくだろと言うと、じゃあ取引をやめようと言ってくるのだ。
米帝の商慣習では、対価以上のサービスをする者はアホという考えがある。
考え方もドライで、いくら会社に貢献していても数字目標が達成していなければ容赦なく解雇される。
幻想郷どころか外の世界でもこんな軋轢は日常茶飯事なのだ。


クライアントは、ナイフを持って商談してくる。 商品に傷があったら殺されると言ったら
そんなところとは縁を切れと言われた。 思わず納得しかけるも、気を取り直して食い下がろうとしたら
ボスが電話を回せとサインをした。 嫌な予感がしつつも電話をかけると


「大口の客をなくして困るのは貴様だろう。言い訳せずにさっさと代用品を送れ。今すぐ」
とそんな感じまくし立て電話を切ってしまった。 恐ろしい。
結局二日後には新しい商品が届いた。 その家具にも傷がついていたので、先の家具と部品を組み合わせて
紅魔館へ納品した。 家具は基本的にノックダウンなので、こういったテクが使用できる。
普段、デスマシン妹君が何気もなく破壊する家具や調度品にはこうした裏話がいくらでもあるのだ。