◎月 □日  No219 万引きを探し出せ


香霖のところへ決算棚卸しをしたが、どうも在庫と売り上げ台帳が合わない。
博麗の巫女が持っていったからとも考えられたが、その場合は専用の台帳があるので
基本的に在庫に違算は発生しないはずである。
考えられることは紛失、破損、盗難の三点であるが、隙間妖怪が特別活動した形跡もないため
どうしても判らない。 
なくなっている商品も博麗の巫女の趣味とは遠いものもあって、盗みをしているやつがいると判断した。
香霖は自分が置かれている事態をいまいち把握していない。 
もう一回霧雨店に修行に戻すべきかもしれない。 
どんぶり勘定にもほどがある。


そこで鴉天狗にお願いして香霖堂のところで張ってもらうことにした。
監視がばれにくくするため、米帝正式採用の冴月も使っている迷彩服を着せたら
ボディラインが出てえらく卑猥だったが、本人はとても気に入ってくれたようだ。


数日後、鴉天狗の写真は報道管制の里香女史によって現像、確認がされた。
どうやら香霖堂で多くの万引きが行われているようである。
メイド長が、お茶の葉を盗んでいる場面には唖然とした。 もっともこの場合香霖が何時までたっても
戻ってこないので仕方なしに持っていったといったところか。
霧雨のご息女も結構いろいろ持っていっていることも判明した。 香霖は彼女から物を極端に安く
買い取っていると言っていたが、盗まれた商品の価格を計算すると赤字である。
また、香霖自身が商品を勝手に開封、消費していることもわかった。
いい加減涙が出てきた。


さらに大問題は鴉天狗が何時までたっても迷彩服を返してくれないのである。 
冴月に謝りにいったら、経費で落とすからと言われたが
幻想郷の連中の適当さにはほとほと疲れてしまった。