◎月 □日  No218 胸パッド


妖怪の山にある八雲商事現地法人
そこにある岡崎の机の上に、得体の知れない布の袋が置いてある。
岡崎に「これはなんですか」と聞いたら、八卦炉小型化プロジェクトの一環で試作した加速装置だという。
目立たないように胸パット型にしてメイド長に進呈したら、最初は大喜びだったがその後返品されてきたらしい。
メイド長は幼児体型ではなかった筈と記憶しているが、なぜ返したのだろうか。
岡崎は苦笑いして、女性はスタイルを気にするのよ。と言っていた。


帰る間際偶然、鴉天狗たちが通りかかった。 しょんぼりした表情で顔には覇気がない。
その先にいた岡崎の部下である里香女史の姿を見て事情を聞くことができた。
どうやら報道管制が働いたらしい。 私はてっきり鴉天狗たちは好き勝手に記事を書いていると
思っていたのでびっくりした。
たとえば、彼女たちに関するクリティカルな問題などが撮影された場合
当社で報道管制がかかるシステムになっているらしい。


ためしに里香女史に、メイド長の写真も含まれているのかと聞いたら
ない人の写真なんてないと言われた。
なんとなく返品の理由がわかって来たような気がした。