□月 ●日  No767 幻想郷でもデンタルケア


幻想郷で外の世界とさほど変らず入手できてしまう物を紹介しよう。
それは歯ブラシである。 実は歯ブラシは博麗大結界が今の姿になる前に
現代の姿になったので、そのまま利用できてしまうのである。


妖怪たちも容姿を気にする過程で歯磨きはあっという間に普及した。
甘い物大好きな妖怪たちにとって歯の健康は死活問題である。
どうしても虫歯になってしまったら、博麗の巫女に頭を下げて治してもらうのである。
屈辱的だが鈍い痛みを考えればそれくらいは仕方ないのだろう。


さらに驚くべき事に、歯磨きメーカーの名前も幻想郷で通用してしまう。
皆が知っている化粧品メーカーや歯磨き粉のメーカー名がそのまま香霖堂
霧雨店で並んでいるのだから面白い。
もっと驚くべき事は、歯磨き粉がチューブで売られていることである。
幻想入りした技術なのか? もちろんちがう。
大結界が機能する前からあったのだ。 これだから幻想郷は面白い。


幻想郷の医療というと薬屋が真っ先に思いつくのだが、薬屋はなぜかドリルを用いる。
博麗の巫女がレーザー治療をしているのになんとも前時代的だ。
治療のためとはいえあまりの痛みに逃亡者が多数。
ブレザー兎の目で催眠状態にしたり、メランコリー女史の麻酔薬で痛みを和らげたりしているが
あまり好評ではない。
当面博麗の巫女がおまんまのくいあげになるのは避けられるであろう。


ただし幻想郷の歯磨き粉はかなりヤバイ物も多い。
妖怪用の歯磨き粉はほとんどクリームクレンザー状態で普通の人が使ったら
確実に歯がボロボロになること請け合いだ。
朝倉に聞いたらかつての歯磨き粉も歯がボロボロになるような強力な研磨剤を
利用していたそうだ。


幻想郷で何故こんなに歯磨きが流行ったのかにはもう一つ理由がある。
それはやっぱり口臭対策のようだ。
歯を磨くときはお茶で口をゆすぐのが基本である。
特に取材時の鴉天狗が口臭に気を遣っているのはかなり微笑ましい場面である。
酒豪である天狗達だが、取材時は酒の臭いをぷんぷん漂わせるのはまずいようだ。
水浴びは文字通り烏の行水なのに歯磨きだけはとことん時間をかける様は
色々な意味で面白いので一度観察すると良いかもしれない。


外の世界の歯磨き粉(口臭専用)をあげるととても喜ぶので
お土産として持っておくと良いかもしれない。