□月 ●日  No729 困ったスペルカードルール


普段決闘のために利用されるスペルカード。
スペルカードルールというのは決闘のための基本ルールである。
といっても運用方法はかなりメチャクチャである。
なにせ審判がいないからだ。
カードだって結構な数を持ち運ぶことができる。


破っても特にペナルティがあるわけでもないが、破ってばかり居ると決闘すら
させてもらえなくなる。 こうなるとトラブルが起こったときに能動的に解決できないほか
あまりの退屈に妖怪としての謂われを亡くしてしまう可能性もある。
これは妖怪にとって「死ね」と言われるのと同義だろう。


最近知ったのだが、ある程度強い妖怪やカミクラスになると弾幕を消すことができる。
ただしやってしまったら野暮すぎるので誰もやらないし、やったら
「こいつは遊び方も知らない」と言われる。
鴉天狗のように自分の撮影場所確保のために弾幕を消去することが出来る奴も居るし
白玉楼のお庭番や魂魄のように弾いたり切り裂いたりする奴も居るが
いずれもホイホイと発動するものでもない。


綿月依姫弾幕消去をやりすぎてしまった一人。 
誰も決闘してくれないと嘆く彼女であるがこればかりは仕方ないと思う。
なぜか朝倉と冴月が依姫をかばっているのが印象的だ。
ふたりとも侵略者のルールに従う道理はないと言っている。
カードを使うことを了承しただけでもかなりの譲歩だという。


カードも本来は沢山持つことができるが、枚数に制限があるのは単純に財力のせいだ。
10枚くらいに押さえているのは財力差で決闘が決まってしまうのを防ぐためらしい。
そもそもメトセラ娘がバイトを始めたのも博麗の巫女との戦闘でカードを使い果たしたからだそうだ。
しかもなけなしの金で新しく買ったカードも鴉天狗に激写されてしまったらしい。
可哀想な話だ。
ちなみに博麗の巫女は黙っていてもカードが貰える。 
霧雨のご息女については父親からの隠れ仕送りより負担している。
妖怪退治の仕事も何かとお金がかかるのだ。


誰もが異変解決できない理由はこうしたお金の問題もあることを勘案するべきだろう。


詐欺師兎に生カード代金を請求したら、ワタツキ姉妹に請求してくれと言われた。
どうやらあっちに運んでしまったらしい。
報告したら結局無料ってことになった。


魂魄が代金を躯で払ってもらおうかとか言わなければ気持ちだけ受け取ってもよかった。
この日、明羅女史と依姫が二人鉢合わせになったがあまりに雰囲気が似ているので
思わず吹き出してしまった。