▼月 □日  No242 幻想郷と風水


結界のインフレーション現象が安定動作しだしたらしい。
それに伴いうちの会社の基地も移転に向けて着々と進行しているようだ。
本社に戻ると、研究員の動きがあわただしい。
最近、朝倉が冴月たちを連れて射検場を出入しているようだ。
射検場は立ち入り禁止となっており、他のスペルカードについては
急造の第二射検場を使うようにと通達が来ている。


北白河が倉庫の振替処理であたふたしているので手伝うことにする。
決算前に一度減った在庫が、結界の外のゴールデンウィーク
増加に転じたため処理量が増えてしまっているそうだ。
もちろん別の社員は通常業務のまま進んでいる。
一方で、新都市計画による博麗神社の移転計画の話が持ち上がっていることを聞いた。
神社改修を急いでいるのはどうやらそのせいらしい。
結界の外の世界の人間は、自分が風水で護られている事実を知らずに
建物を無駄に移動しようとする。
そのくせ、自分の家の風水には気を使うという我田引水振りだ。
しかし、風水はマクロ的見地に立った上でそこから、自宅への気流を調節するものである。
ボスは霊能局とを通して、国定保護施設にするべく行動を開始したようである。