○月 ◇日  No252 博麗のカード


朝出社したら、目の前に監査部の連中がいた。抜き打ちの社内監査である。 
税務署の監査が入る前にこうして会社のお金の流れや業務が正しく遂行しているのかを
調べる仕組みがあるのだ。
いきなりボスに呼ばれた。何かミスがあったのかと思ったら朝倉がエクソダスしたらしい。
部署総出で朝倉捜索作戦が決行された。


朝倉はショタコンである。本人は否定するが私のこれまでの経験がそう言っている。
早速新入社員数名を呼び出した。朝倉を釣るには餌がいる。
「無理だ」とボスは言った。
「里香女史があのルックスで朝倉は釣れんと言ってた」と小声で私に耳打ちする。
コメントしろというのか。
冴月がボスの傍らに現れた「例のカードをお持ちしました」と聞こえた気がする。
まさか社内でスペルカードを実行する気なのか。 
ボスは「このカードは博麗の巫女の術を忠実に再現したもので
あるものを召還するものだ」という。
巫女の術とは、神と接続するための術である。 そんな危険な代物をここで使うのか。
緊張が走った。


結論から言うと何者かが召還されたが特に何も起こらなかった。


そしてなぜか朝倉はあっさり捕獲された。
何で釣れたのかはこの日記でコメントしたくない。