◎月 ×日  No259 人体に無害でも


商品を配送しようとしたら、税関からストップがかかった。
どうやら商品の中で魚毒性検査に引っかかったものが出たらしい。
この魚毒性という要素はきわめて始末が悪い。
一例を挙げるとピレトリンがある。 一般的には除虫菊に含まれている奴で
よく風見女史が虫除けに使っているのを目撃したことがある。
これが魚類や虫類また河童にかかると中毒症状を起こし、最悪死に至る。
だが、哺乳類由来の妖怪には全く効果がない代物である。


幻想郷に発送する商品は、毒性検査を高精度に行わないといけないので
やたらとコストがかかる場合がある。
ヴァンパイアに送る血液の中にエイズウイルスが混入していたときは
大騒ぎになったこともあった。
もう食べた後とあって、あの時は本当に殺されるかと思ったものだ。
結局その血液はケーキに使うために熱せられたためウイルスは死滅してしまったわけだが
後日確認したところ、ヴァンパイアの姉妹のDNAを調べたところそもそもエイズ
かからない体質だったという
オチもついた。 流石はペストの時代を生き抜いたヴァンパイアの子孫だけある。


たまに、注文したものと届いたものが違うときは概ねこんな事情であることを理解してほしい。