○月 □日  No263 仕入れの話


今日は北白河と一緒に、卸売市場にお邪魔した。
幻想郷の外の世界での業務に、こうした卸売市場での仕入れがある。
本来妖怪たちに商品を送り届ける仕事をしている我々だが、こうした形で市場調査や
コストダウンの糸口を見つけるのだ。


卸売市場の光景は幻想郷も外の世界も全く変わらない。ルールも殆ど変わらないから
自分がどちらにいるのかわからなくなってしまうことすらある。
北白河は基本的に内勤だからまだいい。
こっちは外勤だから、しばしば混乱して妙な行動ばかりしているせいで
ここの人たちに顔を知られてしまった。 なんとも情けない。
数百キロの肉と魚、そして糖類の買い付けをする。 大量発注して直接交渉するのである。
こういうとき北白河は便利だ。電卓がなくても計算は正確だし、
前の発注量を覚えていることもあってとても重宝する。


最初は雰囲気に呑まれたこの市場だが最近は楽しくて仕方ない。
ここで見つけた珍しい食べ物を幻想郷に持ち出して食べさせるのも
最近の楽しみとなっている。
この前はマンゴーを持っていって妖怪たちに食べさせたら、
色々な反応がでて楽しかった。
同じものを注文しようとして「ザクロの変なもの」という注文書を見たときは
思わず笑みが漏れた。
次はどんなものを送ってやろうか。