エーリッヒ博士が行方不明になったというので皆で探しに行く。
冴月と朝倉が心当たりがあると言ってやってきたのは片道3時間強の電気街秋葉原だった。
エーリッヒ博士が最初に発見されたのもここだった。
エーリッヒ博士の外見を整理してみよう。
長身で、顔半分くらいを金属のマスクで覆っているという
一昔前のSF漫画から飛び出したような外見のおっさんである。
こんな人物が町中を歩いていればものの数分で不振人物として職務質問されそうなものだが
なぜかここの場合それが無くて済むらしい。
博士はすぐに見つかった。そこは美少女キャラのフィギュア売り場であった。
博士も変態一味かと内心諦めかけたが、博士に言わせれば、ここに飾られているキャラクターは
幻想郷に行ったときにきわめて合理的な造形をしていると言うのである。
冴月に思わず真偽を確かめたら、それは事実だと言われた。
博士はフィギュアを買って、それを解体して一個一個のパーツをデータ化して
ヴィヴィットの開発に反映していたらしい。
会社から連絡が来る。実は博士は一週間前に外出許可をボスに提出していたそうだが
朝倉の机の中で止まっていたそうだ。
皆の視線が朝倉に集中した。
エーリッヒ博士からヴィヴィットの開発意図を聞かせてもらった。
ヴィヴィットは万が一博麗の巫女が妖怪側についた場合、巫女と十分戦えることを
目標に開発されたものだそうだ。
里香女史が乗っていたフラワー戦車やイビルアイ型戦車もそうした博麗の巫女と戦えるようにと考えて
作られたヴィヴィットプロジェクトの一部というわけだ。
そしてヴィヴィットが思わぬ方で量産化されたため、オンリーオンとしての謂われが消滅してしまったことに
腹を立てていたらしいこともわかった。 恐らくスポンサーには科学者の気まぐれにしか映らなかっただろう。
ヴィヴィットの戦闘訓練に風見女史が加わっていたことも明らかになった。
風見女史は十分強いと思っていたのだが、ヴィヴィット開発に協力していたということは
彼女の力をもってしても博麗の巫女には敵わなかったということだろう。
改めて巫女の強大な力を認識させられた。
冴月がぼそっと「まー趣味半分ですから」とか言っていたような気がするが
そんな些細なことは気にしてはいけないと思う。