□月 ●日  No1289 進化するヴィヴィット


うちの会社にエーリッヒ博士がやってきて技術部の連中と岡崎とかで
大盛り上がりを見せる。ヴィヴィットのメンテナンスと部品の刷新の為だそうだ。


実はヴィヴィットはうちにやってきたときよりも少しづつであるが身長も
体重も減っている。 最初にきたリビジョン12とかいうヴィヴィットの身長は
私よりもあったが、今では北白河並みの身長に減っている。
体重も最初は一般エレベーターに乗ることが出来ないほどであったが、今では
100キロ程度にまで落ちている。
私の知る限りヴィヴィットの体型は4回は変わっていると思う。
払い下げられたとはいえ、ヴィヴィットは今でもテストケースとして活躍していることがわかる。



ヴィヴィットの技術はそれだけにとどまらない。
妖怪との接触で怪我をした人をヴィヴィットの技術で作った義肢で割り当てようという
試みもあるらしい。 
そんな面倒なことをするよりも薬屋に頼んだ再生医療とか魔法を使った医療の方が
痛みも面倒も少なめであるが、元に戻すのが限界であることを考えると
人間を超えることができるサイボーグ化というのは一種の選択肢であろう。


そもそも、エーリッヒ博士の身体も一部は機械化しているらしい。
昔起こった事故によって身体の一部が欠損したとかだそうだが、今では片手があれば
コンピューターのキーボードを一気にたたけるらしい。 
右手で物を書いて 左手でキーボードがたたけると自慢していたが、
実際にやっているところを見ると、キーボードでたたいた字は誤字脱字だらけで
右手で書いた絵は朝倉が書くようなナスカの地上絵だったのはご愛敬であろう。
所詮脳みそは一つである。


すでに医療認可を受けるための体勢は整えているそうなので今後は量産問題が残っているらしい。
しかしこのヴィヴィットには根本的な問題が残っている。
一部幻想郷の技術が混じっているという事実である。
当社のヴィヴィットは実質付喪神ある。 ロボットというよりもむしろ人形遣いのアリスが
操るメイベル級やゴリアテ級と言われる人形達に特性が近い存在と言えるだろう。
エーリッヒ博士が当社を訪れるのはパテントの問題のためと言ってよい。


私も全身改造すれば風見女史と戦えると言われたが、私は人間辞めてまで妖怪と関わり合いたくないと
思っている。 朝倉が、もう既に片足突っ込んでるし大丈夫でしょうと煽るがふざけるなと言いたい。