米帝のエーリッヒ博士が妖怪と戦えるアームスーツを開発したらしい。
ヴィヴィット開発の副産物という。
うちにも一着導入してくれと朝倉に話したら
お前の人件費より高いスーツはいらないと言われた。
俺は消耗品か。
アームスーツがあれば少なくてもメイド長のナイフ地獄からは免れそうな気がする。
米帝には以前から陸軍や海兵隊用のアームスーツがあったのだが
妖怪と渡り合えるための出力と空を舞う能力をもったスーツは未だかつて無かった。
今度のスーツはルーミアくらいなら本気で渡り合えるといういからなかなかの進歩だ。
実際には組織的な戦術をとるからそこそこの妖怪とも戦えるだろう。
問題は博士からの見積もりが私の生涯賃金より高かったという事実だ。
足下みてやがる。
朝倉に言わせれば強力なスペルカードを使えるようになったところで
慢心して余計なリスクを生んでしまったり、事故に逢ったりすることが多々あるという。
スペルカードも発動方法を間違えれば体に風穴が開く危険な物だ。
私が入社する前はそういう事故も結構あったらしい。
お陰で今では妖怪並みのの能力しか与えられない。 喜ぶべきか悲しむべきか。
岡崎はアームスーツは妖怪たちの興味を引いて結果、戦闘し続ける羽目になると
言っていた。幾ら強いと言っても三度くらい連続で戦えば確実にスーツの防御力は
半減してしまう。 某ロボットアニメのようなマジカル自己修復なんて便利な物はないから
仕方ない。
ボスはアームスーツがなくても頑張って仕事をすれば誰かが助けてくれると言った。
強力な兵器がなくても、妖怪たちの支援を得れば、強大な妖怪とも対抗することができるという。
たとえば地霊殿の主人を味方につければ、殆どの妖怪に対抗できるという。
妖精などあまり考えていない連中には効果が薄いが危険度の高い妖怪相手には
かなり強力な武器になるそうだ。
魂魄がお茶をすすりながら、妖怪とのコネはアームスーツを買う費用よりも
ずっと価値があると言っていた。
私がピンチになったら本当にほかの妖怪たちは助けてくれるのだろうか。
数人の妖怪が頭に浮かんだが助けてくれそうに無いのは気のせいだろうか。