□月 ●日  No1574 性的興味


ヴィヴィットのメンテナンス。所々無理が祟っているのか、部品の交換作業が多い。
岡崎の話によれば、ほぼ全部品は一度換装された状態になっているとのこと。
駆動部の金属疲労はどうにもならないので、やはり限界はくるらしい。


しかし今回の話はそんなことではない。
久々に激高した岡崎の姿を見ることができたからだ。
その姿はまるで夜叉の如く。 朝倉はいねえが とばかりに昔使っていた
クロス型弾幕発生装置を携えているではないか。
流石に社内で弾幕を放ったらまずいというか、全員で全力で止めに入る。


やがてお昼から戻った朝倉を岡崎と接触する前に発見。
岡崎の様子を説明すると全く心当たりがないと言われた。
とりあえず姿を隠した方がいいと言うと、その辺は問題ないと言う。
そういう問題じゃないと思うのだが。


その後ろに岡崎の姿があった。
私はおもわず後ずさりするも、朝倉は平然としている。
岡崎が何故怒っていたのか?どうもヴィヴィットに性的知識が大量に学習されていた
というのである。


やりそうな奴は大体想像できるという岡崎。
そんな岡崎に朝倉の回答はというと「まだ、そこまではやる気はない」とのこと。
ぼちぼち集まってきたギャラリーが「ちょっと待てや」と突っ込みを入れるが
すると誰がやったのか。


有り難いものと主張する大師様一味がやったのかと言うのは少々無理がある。
彼女達ならそういう知識よりも前に仏門の知識を叩き込むことは見えているからだ。
一度ヴィヴィットは仏門にかぶれて髪の毛を全部刈りたいと言っていたことがある。
植毛コストを考慮するとハンパではない費用になるので全力で阻止した。


いろいろ考えて、何故そんな知識を得るに至ったのか考えるも
思い当たる節がない。あとは放蕩妖怪に吹き込まれた可能性もあるが
ロボットの深層意識の中に性行為があるとは思えないのでこれも没である。


朝倉が本人に聞けば良いだろうと言った。
周囲がそうだそうだと騒ぎ出したので、岡崎 震える肩のまま、ヴィヴィットの
電源を入れる。 そして何故性知識の情報が増えたのかと聞いた。


ヴィヴィットはさらりと答えた。 自分で学んだのだと。
ヴィヴィットが生まれて早5年ばかり、知識を学び取る速度を考えると
情緒的にはすでに思春期の頃を想定しないといけなかった。
それほどヴィヴィットのシステムは進化していたということである。
いや、交換部品の換装でメモリが大幅増設されていたのも関係があるかも知れない。


その話を聞いたエーリッヒ博士は大いに喜んでいた。
これは偉大なことであって、データは消すなと言われたのだった。
その後しばらくヴィヴィットの会話に下ネタが混じることととなったが
何故か朝倉との接触の後下ネタが殆どなくなったことも言っておく。