□月 ●日  No1575 冬ですから


幻想郷には海がない。そしてその海が無いにもかかわらず無茶な注文をかけてくるのが
自称現人神と、そしてネット転載天狗である。
二人とも完全に確信犯だから始末が悪い。


そんな二人が結託して注文してきたのがなんと蟹である。
冬といえばお鍋と蟹。 会食の場で会話を奪う それが蟹。
魂魄の話だと、朝倉はつい最近まで蟹を食べることが出来なかったらしい。
いや、この言葉は正確ではない。 
蟹の食べ方が分からなかったというのが正しいと思う。


そんなわけで、この無理な注文が疫学的に問題ないのかと里香女史に尋ねたら
意外や意外OKの判定が出てしまった。
幻想入りという判断よりも疫学的にOKならそのまま通るものらしい。


てなわけで幻想郷にタラバガニが入ってきた。
首謀者であるネット転載天狗がまさか本当にやってくるとはと言っていたが
私自身まさかまさかである。
しかし、ここでネット転載天狗の手が止まった。
食べ方を忘れたのである。


というわけで、自称現人神の家で鍋と言うことに相成った。
調理方法を分かっているのは今のところあそこだけだからである。
実は蟹は生きたママというわけにもいかずボイル済みなので
色は綺麗な真っ赤となっている。


蟹は十分な量がある。自称現人神としてはここで自分の株を上げたいのか知らないが
デストロイヤー一味まで呼んできた。もはや博麗の巫女とか黒白とか言わないのは
ご愛敬である。
そして自称現人神一味はは、食べるのに四苦八苦している皆を尻目に
蟹を普通に食し始めたのである。 ここで彼女の目的が分かって目の前がくらくらする。


そして、おねえさんが悠然と蟹の食べ方を説明し始めた。
デストロイヤーどもにとっては蟹の味は未知のもの。
ご丁寧にイラストまで用意されたこの蟹の食べ方を熱心に勉強する二人+妖怪一名。
途中、覚えたら私を崇めるが良いとか言い出しており、色々コメントしがたい。


蟹の味を覚えたところで、次は蟹雑炊を投入。
白米ではなく、雑穀類だが味的には問題ないと思われる。
自称現人神は雑穀を健康食品だと信じて疑っていない。
間違っていないから無視している。


というわけでおなかいっぱい蟹を食べた連中だったが、こいつらが
蟹の味を覚えたら今後そういった注文が増えるのだろうなと思うと
少々胃が痛い。 今後大丈夫なのだろうか。