□月 ●日  No1576 冬至の風景


冬至 幻想郷では生命の終わるときと記されて、閻魔様のところでは
祝賀会が開かれている。
ハロウィンの時に大量に用意されたジャックランタンの材料であるカボチャが
利用される時期でもある。
幻想郷のかぼちゃは顕界における南米産の甘いものと違う。
所謂先行で入ってきた日本カボチャと呼ばれる物を利用する。
従って甘さ控えめだ。


幻想郷ではこの日は大体カボチャを入れて更に蒟蒻で量を増やした雑炊が
あちこちで見受けられる。体力とビタミンを付けたいが限界があるのでどうしても
そうなってしまうのである。
またこの日の雑炊が赤いことも書いておかないといけない。小豆が入っているからである。


妖怪達もこの日は一番元気だが、面白いことにあまり弾幕戦は行われていない。
理論上妖怪達が一番活性化しそうだと思ったが、実は真の意味で活性化するのは
この前日だったりする。 冬至は同時に生まれ出づる日でもあるから
妖怪達には実のところ夜の終わりを告げる物だったりするのだ。


と謂われを掻いたものの、実態は単に大量に増えた雑炊を食べ過ぎた人間も
妖怪も動きが鈍くなるからだ。 これはさらに夜になるとそうなる。
この日は皆が柚湯にはいって身体を温める日でもあるのだ。
だからこそ高速移動なんてしようものなら確実に湯冷め確定だ。
風邪を防ぐために柚湯に入るのに風邪になりたくないから当然弾幕ごっこ
自粛されるという具合である。


さて、現地法人では来年のカレンダーが開封される日でもある。
幻想郷ではこの日を暦の最初の日と考えているためそういうルールとなる。
実のところ人間も妖怪も忙しく、祝賀行事に出ている妖怪だらけだったりするためか
弾幕ごっこどころじゃないのかもしれない。
ちなみに次の日の昼間もたいてい疲れて弾幕ごっこが行われないのを見ると。
年の瀬だなあと思う次第なのである。