□月 ★日  No574  異種間カップルのなやみ


久しぶりに学生時代の友人と会う。 友人の妹が離婚したという話。
妹の旦那が自宅警備員で、姑が旦那にお金を入れているため
生活はとりあえず成り立っているとかなかなかヘビーな話を聞かされる。
私に話を振られても困る部分である。


幻想郷でも外の世界でも変わらないものの中に、夫婦喧嘩がある。こればかりは万国共通である。
理由は人それぞれだが、おおむね変わらないのも面白い。


妖怪と人間のカップルになると夫婦喧嘩はかなり迫力に満ちたものになる。
家のなかで終わればいいが、妖怪が女でヒステリーが入っている場合は周囲も危険に巻き込む
はた迷惑な存在となる。
旦那も妖怪を妻として娶って、しかもいつまでも美しい姿を保っているのだからいつまでも大切にすれば
いいのにそれができない奴がいるのだから困ったものだ。


先日エキノコックスから生還した男と会うことができた。 幻想郷の外の世界から愛の逃避行を成功させた
二人である。  現在では元気を取り戻しとりあえず細々ながら収入を得ることもできるようになった。 
とにかくこちらが恥ずかしくなるほどどラヴラヴな夫婦である。
あれだけ口づけを繰り返していれば感染症に罹ってもおかしくないと断言できる。


そんな二人の今の悩みは子供ができないことだそうだ。
いわゆる不妊問題で、妖怪と人間の種族差がありすぎて子供ができにくいらしい。
薬屋の助けを借りて試験管ベイビーを作るかも本気で考えていたらしい。


香霖はこうした子供を作るのが難しいといわれる人間と妖怪のハーフであることから
無理ではないことは実証されている。
最近は奥様が相当焦っており、それがもとでちょっとした喧嘩になることもあるらしい。


妖怪の奥さんに話を聞いたら、自分の寿命は長く、旦那さんといられる時間に限りがあることを
ひしひしと感じているらしい。旦那さんはあわてなくてもよいと思っているのだが
奥さんにとっては一日一日を大切に生きようと考える意識が強いようだ。
妖怪は寿命が長いからのんびりとして生きているイメージがあったのでとても意外に思えた。


結局、上白沢を紹介して養子にできそうな子供を探すことになった。
とりあえずいいご縁があることを祈りたいところだ。