□月 ★日  No558 紅魔館前祝いパーティ


朝、出社すると何やら社内が騒がしい。 閻魔様が神妙な表情でボスと話していて
普段とは違う雰囲気に違和感を感じる。 
発注書入れを覗いたら紅魔館から膨大な量の食べ物の注文が舞い込んでいた。


デモンストレーションが好きなヴァンパイアの主人だが、予想通りロケットを飛ばすための
前祝いパーティを始めるらしい。
天狗達からは誰に招待状が送られているのか情報が寄せられていたが
そこにブレザー兎とか詐欺師兎やらの名前が見えて大いにずっこけた。
よっぽど指摘するべきだと考えたが、朝倉が面白いから放置しろと言うのでそれに従ってみた。
ヴァンパイアの主人は本気でお馬鹿かもしれないと思う。


横でボスと閻魔様の声が聞こえてくる。
閻魔様はこの期に及んでミニスカートに拘っているらしい。
いい加減に防寒着を着ろという内容だった。思わずずっこけかけた。


さて、今回のパーティーに向けて香霖堂はかつてないほど忙しいことになっていた。
妖怪たちが着るよそゆきの服の補修作業である。 睡眠時間を削って作業しているらしい。
私も補修用の生地をピストン輸送で運んでいる。
河童たちはよそ行きの服装なんて不便でいらないと言っているが明らかに少数派である。
妖怪とて精一杯おめかししたいのが人情というものだろう。
本人はこれで数ヶ月は乗り切れると大張り切りである。


香霖が人数が足りないと言うのでルーコト数機を派遣しておいた。 
ちなみにヴィヴィットの散髪屋もフル稼働である。
普段の数倍の割合で妖怪たちが散髪に訪れているので相当大変らしい。
経済効果は相当のものだろう。


閻魔様の方は結局説得の末に防寒着を着て貰うことで折り合いが付いたらしい。
まったく困った閻魔様である。