×月 ×日 No 048 なんという⑨


列車を走らせていると、よく妖精をはねてしまう。
妖精はすぐに復活するので大丈夫だと説明されたが気分がいいものではない。
そこで列車には障害物撤去のためのスカートがあり、そこはいつも血に塗られているのだ。
と、まあこういう風説を流して列車に近づかないようにしていたのだが


中にこの列車を気合で止めてやろうというアホがいたのだからたまらない。
しかもこいつはいろんなものを氷付けにするのが趣味の性質の悪い妖精である。
列車を凍らせようと冷気を噴出すが列車がその程度で止まるわけがないわけで
ブレーキをかけようかと迷ったがそのまま減速しないで突っ込んだら
こつんと外で音がしてそのまま妖精が吹っ飛ぶのが見えた。 
完全に殺妖罪だ。 よくわからんが適当につけてみた。
さすがに列車をとめて吹っ飛んだ先に行って見ると、たんこぶを作った妖精が
涙を流している。 列車の速度は時速100キロ近く無事じゃすまないはずなのだが。


えぐえぐ泣きじゃくるのでクッキーを渡したら涙はどこへやら大喜びでどこかへ消えてしまった。
これがまずかった。
次の日から列車が来るたびに妖精たちが傍によるようになってしまった。
同乗していた同僚が餌付けでもしたのかと聞かれたが、似たようなもんだと答えておいた。
「妖精にエサをあげてはいけません」
あとでボスにこってりしぼられた。