■月 ○日 No 098 素直ではない彼女に援助するには


幻想郷へ物資を輸送する仕事だが、いつも安全に仕事が終わるとは限らない。
時たまだが、黒い魔法使いが襲撃する場合もある。 今日もまた魔法使いが襲撃を試みたため
これを機会にどのようなカラクリになっているのかご紹介しよう。
黒い魔法使いが襲撃してくると、雷と轟音とともに隙間から武装車両が出現し併走する。
しかしあくまで武装車両は魔法使いを抹殺しない。 確実に当たらないように弾幕を張る。
そして、予め決められた場所に本人が到達するように仕向けるのである。
本人はそれが自分の実力でうまくやっていると信じて疑わない。


魔法使いはその中でお金になりそうなものを選んで持っていく。
このままではただの窃盗である。普通なら保険制度があるのだが我々の場合は保険屋がない。
魔法使いは盗んだお宝を香霖のところへもっていく。魔法使いはいくばくかのお金を手に入れる。
そして香霖は我々に連絡をし、そのアイテムを集荷する。香霖には手数料が入る。
黒い魔法使いのプライドを傷つけることなく、確実に援助できるということでこの手段はよく利用される。


実はその財源は霧雨店の社長が我々に預けたお金なのである。
我々は送金していることにしている。そして、社長には妖怪退治で生計を立てていると説明しているのだ。
勿論彼女の稼業はうすうすだが気づいているのかもしれない。


閻魔様がボスに今のやり方はあまりほめられたものではないと苦言を述べていた。
このままでは彼女の死後、地獄に送り込まないといけないからである。
それは可能なら避けたいというか、実際のところは魔界でテロ行為をしかけた前科から着てほしくないのが
本音といったところかもしれない。