○月 □日 No 097 岡崎先生の生徒


通勤列車に揺られていたら偶然北白河を見つける。
挨拶しようとしたら、例の京都大学のふたりが北白河と会話中であった。
よく考えて見れば、北白河も京都大学のOBだし、もっと言えば岡崎は先生ではないか。


索敵用スペルカードで、三人の会話を盗み聞きして見る。
どうでもいい世話話ばかりだが、レンコという要注意人物が
「私たち、岡崎先生の意志を継いで幻想郷を見つけて見せます」と言って思わず咳き込んでしまった。
とどのつまり、秘封倶楽部なるあの怪しげなサークルは岡崎プロデュースということなのだ。
と、いうことは北白河は、岡崎の助手であり、あの二人の直接の先輩と言うことになる。
私は頭を抱えた。


そしてあの二人が何故表向きは商社である私の会社に接触したのかがなんとなくわかった。
北白河は言葉を選んで話しているので聞いていても安心ではあるのだが、
問題は、やはり境界を覗き見ることの出来る彼女であろう。
おそらく北白河の嘘はとうに見破っていると思われる。
北白河が話をすればするほど、彼女たちには確信となっているのだろう。
北白河もアホじゃないのでその部分は百も承知だろうが、あまり良い状況じゃない。


いずれにせよあの二人に我々の稼業がばれるのは時間の問題と思われる。
ならば身内にすればよいというのがボスの考えなのだろうか?