■月 ■日 No 100 妖怪たちが恐れるものがある


霧雨店での納品が終わって次の納品場所に向かおうとすると、空から夜雀が墜落してきた。
存在自体が騒音公害である彼女を放置したほうがよいと私の直感が告げるが
霧雨店の社長の頼みもあり救出することになった。

最近外の世界から来た人間が自衛手段を身に着けたという。
正式な手続きをとらない限り、外からやってきた人間は保護されることはない。
大体の場合は妖怪たちに捕食される運命にある。
一方、夜雀は明らかに飢えていた。 話を聞くともう数日間水しか飲んでないと言う。
外の人間は何をしたのか? 彼女と一緒に事態を把握すべく現場へと急行した。


その人間は簡単に会うことができた。
背中にリュックを背負い、バックにはポスターが数本刺さっている。
うわさで聞く妖怪「週二秋葉」という生物である。
この生物(なまもの)私の後ろにいる夜雀を見てまるでゾンビのように呻いている。
どうやらこの男、夜雀を性的な対象の目で見ているようなのだ。
急に頭が痛くなった。
冴月がいたら無言で銃の引き金を引いているところだろう。
私が逃げなかったのは 普段耐性があるからだと改めて思い知らされた。


動きは緩慢だったのでとりあえず走って逃げた。
その後その人間がどうなったのかは誰も知らないし知りたくもない。