□月 ●日  No805 問屋さんと打ち合わせ


問屋さんと打ち合わせ。 
提案してきた5ポイント下げるという商品の確認。 
ちなみにポイントとは定価のパーセンテージという意味だ。


基本的には妖怪が注文する商品を届けるのが我々の仕事であるが
妖怪が要求する商品からこうしたポイントを下げた商品へと導いたり
提案したりするのも重要な仕事である。
日用品なら大した額にならないのだが、耐久消費財ともなれば
意外と洒落にならない金額になる。


もっともこのやり方はかなりの高等テクニックで
通用する妖怪と通用しない妖怪が居る点で難しい。
上手くいく妖怪と言えば、割とこちらの意図や空気を読んでくれる竜宮の使いや
意外や意外、額が減るならこちらでと言ってくれる自称現人神以下例の神社の面々が
それにあたる。 妖精たちも口八丁でどうにかなりやすい。
氷妖精や三月精たちも問題ない。 
地霊殿の主人に至ってはこっちの心を読んでそっちのお得そうだからと
わざわざ提案商品にするように促すからとても助かる。


逆に危険な妖怪も居る。
融通が利かなすぎるタイプ。 我が儘なタイプがそれに当る。
紅魔館関係、白玉楼関係、隙間妖怪とその一味あたりがそれにあたる。
ここで要求されるのはいい商品を提供するというより仕事の正確さだ。
ただし、紅魔館関係だと先行できちんと説明さえすれば納得してくれる場合がある。
商品のグレードが上がる場合などはそれに当る。
よく、事前に話すのは説明だが、事後で話すのは言い訳と言うが
まさにそれを地に行くかたちだ。


今回提案されたのは化粧品関係。
妖怪たちの肌をまもるための基礎化粧品と紫外線カットのクリームである。
空飛ぶ妖怪たちはこうした紫外線カットグッズを好んで使う。
そもそも彼女たちが基本夜行性なのも紫外線を浴びて体中が焼けてしまうを
防ぐためという説があるほどだ。
特に秋など季節の変わり目では、紫外線量も増える傾向がある。
また過ごしやすくなる上、食糧の確保のため外に出ることも多いことから
色白な妖怪たちにとってはかなり重要だったりする。
わざわざ雲の下を選んで飛んだり涙ぐましい努力をする妖怪も居る。
誰とは言わない。


クリームの性能が思ったよりよさげなのでメイド長にも提案してみることにする。
また地下妖怪たちが地上に出る際にクリームの需要が大きく伸びると予想されるので
ちょっと大目に発注することにした。
売れるといいのだが、そこはちょっとした博打といったところだろう。


ちなみに真っ先に反応したのは怪力乱神を扱う鬼であった。
露西亜系白色人種が多いとされる鬼にとって、スキンケアは結構重要だと言うことに
気付かされて感心すると同時にちょっと意外だった。
まったく関心を示さなかったのはやっぱり紅魔館の門番だった。




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拍手レス

最近誤字が多いような気がします。毎日の更新で大変でしょうががんばってください、毎日楽しみにしてます。
第一小節の最後 彼女は心を読むことが出来るが→彼女は心を読むことが出来『ない』が では?

>最近生活が不規則で眠い目こすりながら書いているせいか細かなミスが頻発しております。 申し訳ない。


毎日読んでるぜ
>有り難うございます。 励みになります。


人気のキャラは誰ですか?
>男性女性で支持層が分かれる傾向があります。 男性は朝倉、女性は主人公への感情移入度が高いみたいです。