□月 ●日  No993 えっあいつらいるの?


秘封倶楽部の連中がうちの会社に入社したという情報をキャッチした。
放置すると危ないということから恐らく隙間妖怪の目の届くところに置いておこうという魂胆なのだろう。


魔術サークル秘封倶楽部。うちの会社でも要注意人物扱されている連中である。
要注意人物と呼ばれる理由は割と単純で、ごく希に単独で結界突破が出来てしまう場合があるかららしい。
結界突破されるといろいろと面倒になるのでどうにか追い返さないといけないのだが
対応を隙間妖怪がやったため色々と面倒であった。
本人は暇だったからと言うが大迷惑である。


メンバーの一人であるメリーとかいう娘は境界や結界を見る能力というのもあるらしいが、
魔術を使う人間の中ではイメージトレーニングで幻想郷をみることが出来るそうである。
だが、自力で幻想卿に入れるとなると話は別だ。 何も対応手段をとれないまま
ダイブできるのは大問題なのである。
朝倉は二人がかなり偏った知識を持っていることを危惧しているようだ。
岡崎が聞こえないというジェスチャーをしているのが気に掛る。


結界の外には魔術組織というのが数多くあり、うちの会社もそうした組織と仲良くしないといけない。
彼らは魔術組織という体裁は取っているが、幻想郷の存在を感知できる人間の受け皿としても機能している。
幻想郷への対処方法もここで指導されているらしい。
中にはそうした魔術組織からうちの会社や霊能局へ再就職を果たした人もいるそうで、
馬鹿にすることはできないのである。


魔術組織の人間と言ってもそう特別なにかというわけではない。
要は魔術をきちんと使う為のノウハウをきちんと伝えるための組織である。
朝倉曰く科学も魔術も基本的考え方は殆ど同じで、当然きちんと手順を踏まなければ容易に事故るという。
朝倉には講演依頼がかなりの数来ているのだが、余計なお世話だと言っていた。
そもそも彼女は魔術が嫌で結界の外にやってきた経緯があるのだが、結界の外にやってきたらきたで
魔術の知識が欲しい人間ばかりだったというオチに悩まされているようだ。


外の世界の魔術研究はうちの会社でも色々応用されているらしい。
スペルカードのプリンターや、コンピューターを用いたスペルカードのスクリプト型プログラムシステムは
こうした魔術組織の基礎研究のたまものだという。
朝倉がこの会社にやってきたときには基礎研究がほとんど終わっていたというのだからびっくりだ。


朝倉から取り敢ず二人には幻想郷に行ってることは秘密にするように言われた。
どうせばれると思うし、自称現人神のことも多分ばれることだろう。
その前に朝倉がどう二人に知識をたたき込むのか気になるところだ。

さて、二人と会ったときどう言い訳するか考えるとしようか。